株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、衛生意識や自宅調理ニーズなどの高まりにより需要が増加した品目と、美容関連など外出を前提として使われることが多いため需要が低迷した品目で明暗がわかれた家電製品の世界市場を調査しました。その結果を「グローバル家電市場総調査 2021」にまとめました。
この調査では、衣住関連8品目、調理関連13品目、空調/給湯関連8品目、美容/健康関連10品目の国・地域別生産・販売動向の現状を分析し、将来を予想しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「グローバル家電市場総調査 2021」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「グローバル家電市場総調査 2021」の全体サマリー
1.主要家電3品目の世界市場
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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洗濯機/ |
1億1,150万台 |
96.4% |
1億2,052万台 |
108.1% |
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冷蔵庫 |
1億1,953万台 |
92.0% |
1億2,947万台 |
108.3% |
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ルーム |
1億4,721万台 |
90.6% |
1億6,232万台 |
110.3% |
洗濯機/洗濯乾燥機の2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の対策で混乱が大きかったインドやブラジルの落ち込みが顕著だったため、縮小しました。一方で、巣ごもり需要や清潔意識の高まりにより、ドラム式などの高機能機種が好調でした。
冷蔵庫の2020年の市場は縮小となりました。需要の3割を占める中国が新型コロナウイルス感染症流行の影響と不動産市場の低迷を背景に微減となりました。また、東南アジアの需要減少に加え、感染が拡大したインドやブラジルで大幅に減少しました。一方で、欧米は感染流行の影響は比較的少なく横ばいとなりました。
ルームエアコンは欧米で巣ごもり需要を獲得し好調だった一方で、インドやブラジルなどでは大幅に需要が減少したため、2020年の市場は縮小しました。
2.カテゴリー別の世界市場
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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衣住関連 |
4億8,069万台 |
95.6% |
5億4,195万台 |
112.7% |
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調理関連 |
8億5,278万台 |
97.5% |
9億417万台 |
106.0% |
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空調/ |
6億6,101万台 |
94.4% |
7億2,048万台 |
109.0% |
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美容/ |
7億7,345万台 |
107.0% |
9億5,650万台 |
123.7% |
衣住関連はアイロンの市場規模が最も大きいですが、2020年に新型コロナウイルス感染症流行の影響で、テレワークの普及による外出機会の減少などから、大幅に減少しました。また、アイロンに次いで市場規模の大きい洗濯機/洗濯乾燥機も減少しました。一方、在宅時間が増加したことで消費者の清掃意識が高まり、掃除機やロボット掃除機は伸びました。特に、ロボット掃除機は新型コロナウイルス感染症に関する給付金が購入の後押しとなり大きく伸びました。
調理関連はホットプレートやホームベーカリーなどは巣ごもり需要を獲得し増加しましたが、市場規模が最も大きい炊飯器は、需要の9割弱を占めている中国で在宅時間の増加によって、調理時間を要する麺類やパンなど米以外を調理する機会が増えたため需要が減少しました。
空調/給湯関連は世界全体で空気質への意識の高まりが生じ、空気清浄機が伸びました。市場規模が最も大きい扇風機は中国での販売が好調だったことから伸びました。一方で、扇風機に次いで市場規模が大きいルームエアコンは巣ごもり需要を獲得した日本や欧米では当初の見込み以上に好調でしたが、感染症対策で遅れをとったインドやブラジルは大きく落ち込み減少しました。
美容関連は外出する機会が減少したことからメンズシェーバー、レディースシェーバー/脱毛器、ヘアアイロンなどがマイナスとなりました。日本はインバウンド需要が減少した影響が大きく、主要メーカーでは自宅で可能なセルフビューティを切り口とした需要喚起を図る動きがみられます。美容関連が縮小する一方で、健康関連では血圧計や体温計が好調となりました。特に体温計は日常的に体温を計測する必要性が高まったことから大幅に伸び、血圧計は感染予防対策として在宅医療が推進され自宅で血圧を測定する消費者が増えたことから、市場は拡大しました。
◆注目個別市場サマリー
1.血圧計
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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7,200万台 |
118.9% |
8,490万台 |
117.9% |
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で通院が難しくなったことから、自宅などで血圧を測定する必要性が高まり、市場は拡大しました。
今後も北米や欧州などを中心とした在宅医療が進むことや、先進国を中心として高齢化や高血圧人口が増えることにより需要は増加するとみられます。特にIoT機能を有する製品ニーズが高まると予想され、市場は拡大が続くとみられます。
2.空気清浄機
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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2,868万台 |
110.6% |
3,015万台 |
105.1% |
2020年は世界的に空気質への意識が高まったことから需要が増加し、市場は大幅に拡大しました。一方、大気汚染対策として普及が進んできた中国では、新型コロナウイルス感染症流行による製造業をはじとめとした経済活動の停滞のため、大気汚染が一時的に沈静化したことにより需要が減少しました。
今後は一部の国・地域で反動減が予想されますが、普及率の低い東南アジアや欧州などでも需要が増加していくとみられ、市場は微増すると予想されます。
3.コーヒーメーカー/エスプレッソマシーン
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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9,460万台 |
101.6% |
1億307万台 |
109.0% |
2020年は巣ごもり需要を獲得し、先進国を中心に好調となっています。一方で、新興国では景気悪化によって、ブラジルをはじめ需要が減少した国・地域もみられ、市場は微増にとどまりました。
今後は外出制限の長期化や在宅勤務の定着によって、巣ごもり需要は続くとみられ、市場は引続き拡大するとみられます。
4.ホームベーカリー
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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1,063万台 |
109.5% |
1,013万台 |
95.3% |
2020年は巣ごもり需要を背景として、主な需要地である日本、中国、北米、欧州を中心に需要が盛り上がり、市場は拡大しました。
今後の市場は反動減が予想されますが、将来的にはおよそ半数を占めている中国を中心に安定した需要が続くことで、2024年には1,000万台まで回復するとみられます。
5.ホットプレート
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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2,594万台 |
107.0% |
2,493万台 |
96.1% |
2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により、外食を控え自宅で食事を楽しむ機会が増えたことから日本と中国で需要が増加し、市場は拡大しました。
既存商品の好調に加えて新規商品の投入などから市場が活性化するとみられます。
6.ジューサー/ミキサー
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2020年 |
前年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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5,400万台 |
101.5% |
5,825万台 |
107.9% |
2020年は新興国などの景気悪化が深刻な国・地域では需要が減少していますが、先進国の多くでは巣ごもり需要を獲得し伸びています。中国では健康意識の高まりや感染症対策として免疫力を高めるために自宅で新鮮なジュースを飲むことがブームとなり伸びています。また、多くのメーカーがEC販売に注力していることで、消費者が手軽に購入できるようになり、今後も市場は拡大するとみられます。
【参考】本記事で使用した「グローバル家電市場総調査 2021」に掲載している調査対象市場
衣住関連
- 洗濯機/洗濯乾燥機
- 衣類乾燥機
- アイロン
- 掃除機
- ロボット掃除機
- 浄水器
- アルカリイオン整水器
- 温水洗浄便座
調理関連
- 冷蔵庫
- 電子レンジ/電気オーブンレンジ
- IHクッキングヒーター
- 食器洗浄乾燥機
- トースター
- ジューサー/ミキサー
- コーヒーメーカー/エスプレッソマシーン
- フードプロセッサー/フードチョッパー
- ホットプレート
- ホームベーカリー
- 電気ケトル
- 炊飯器
- ワインクーラー
空調/給湯関連
- ルームエアコン
- 電気給湯器
- 換気扇
- 扇風機
- 空気清浄機
- 除湿機
- 加湿器
- シーリングファン
美容/健康関連
- メンズシェーバー
- レディースシェーバー/脱毛器
- ヘアドライヤー
- ヘアアイロン
- 美顔器
- 電動歯ブラシ
- 血圧計
- 体重計/体組成計
- 体温計
- マッサージチェア
◆本記事は「グローバル家電市場総調査 2021」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。