株式会社富士キメラ総研は、2020年においては自動車生産台数減少の影響を受けるものの、グローバル規模での環境規制強化に伴う電動自動車の伸びによる早期の回復・拡大、また、自動運転やAI化に伴う新たな需要増加が期待される車載電装システムやデバイスの世界市場について調査しました。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻」にまとめました。
この調査では、パワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、走行安全系、ボディ系、情報系の車載電装システム計22品目の世界市場を国・地域別に調査・分析しました。また、それらを構成するデバイス&コンポーネンツ20品目の市場についても捉えました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻」の全体サマリー
1.車載電装システムの世界市場
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2020年見込 |
前年比 |
2030年予測 |
2019年比 |
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パワートレイン系 |
6兆1,419億円 |
79.8% |
8兆8,931億円 |
115.6% |
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HV/PHV/ |
2兆9,280億円 |
110.4% |
15兆7,955億円 |
6.0倍 |
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走行安全系 |
4兆1,796億円 |
82.4% |
8兆3,516億円 |
164.6% |
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ボディ系 |
2兆4,047億円 |
82.2% |
4兆669億円 |
139.0% |
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情報系 |
3兆4,028億円 |
81.4% |
5兆4,474億円 |
130.3% |
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合 計 |
19兆570億円 |
84.6% |
42兆5,545億円 |
188.9% |
2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響により、自動車生産台数が大きく減少するため、多くの品目が縮小し、市場は前年比15.4%減が見込まれます。2021年には自動車生産台数は回復に向かうため、車載電装システムの需要も増加するとみられます。2022年以降は電動自動車の構成比の高まりや、自動運転システムの搭載増加などにより、順調な市場拡大が予想されます。
2020年に各分野が縮小する中、HV/PHV/EV/FCV系は前年比10.4%増が見込まれます。各国で環境規制対策が進められる中、内燃自動車の生産は落ち込みますが、電動自動車は順調に増加しているためです。今後、各自動車メーカーは電動自動車の構成比を高める方針であり、それに伴い大きな成長が予想されます。
走行安全系は、2020年は前年比17.6%減となりますが、2021年以降は自動車生産台数の回復と単価の高い自動運転システムの増加によって、回復・拡大が予想されます。2025年以降、自動運転システムが大きく伸びることで、2030年には2019年比64.6%増が予測されます。
パワートレイン系や情報系、ボディ系は2020年に大きく落ち込みましたが、2021年以降は回復に向かい、2024年までには2019年の実績を超えるとみられ、以降は順調な伸びが予想されます。中でも、情報系のドライバーモニタリングシステムや電子ミラーは、現状の市場規模は比較的小さいですが、大幅な伸びが期待されます。
2.デバイス&コンポーネンツの世界市場
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2020年見込 |
前年比 |
2030年予測 |
2019年比 |
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9兆5,870億円 |
92.7% |
33兆3,978億円 |
3.2倍 |
2020年は自動車生産台数の減少に伴い、市場は前年比7.3%減が見込まれます。ディスプレイやLEDなどの入出力系デバイス、レーダーや各センサーなどのセンサーモジュール/アクチュエーターモジュールが縮小した一方、HV/PHV/EV/FCV関連デバイスは堅調に伸びました。
2021年以降はHV/PHV/EV/FCV関連デバイスがけん引し、市場拡大が予想されます。また、センサーモジュール/アクチュエーターモジュールはADASの高機能化や自動運転車両の増加、電動化を背景としたセンシングデバイスやモーター駆動アプリケーションの増加などで伸びるとみられます。入出力系デバイスはHMI(ヒューマンマシンインタフェース)の増加や、ドライバーへの伝達情報量の充実化に伴う表示機器の増加により、採用拡大が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.ADASの世界市場
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2020年見込 |
前年比 |
2030年予測 |
2019年比 |
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1兆179億円 |
88.9% |
2兆3,951億円 |
2.1倍 |
ADASはカメラやレーダーからの情報をドライバーに警告、または自動で制御を行う安全支援システムです。市場はシステムを制御するECUとセンシングデバイスを対象とします。
2020年は自動車生産台数の減少に伴い、市場は前年比11.1%減が見込まれますが、2021年以降は拡大が予想されます。ADASを構成するセンサーの搭載個数は、エリアや車種によって異なるためシステム単価は上下しますが、システム販売数の増加に伴い市場は拡大し、2030年は2019年比2.1倍が予測されます。
2.自動運転システムの世界市場
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2020年見込 |
前年比 |
2030年予測 |
2019年比 |
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20億円 |
87.0% |
1兆4,881億円 |
647.0倍 |
自動運転システムは、LIDARをはじめとしたセンサーやHDマップ(高精度3次元地図)などを用いて周辺環境の検知や認識を行い、自動制御を行うシステムです。
市場は立ち上がりつつあり、2021年にはレベル3のシステムが搭載された車両が新たに投入される予定です。2025年頃からレベル4の車両が投入され、本格的に市場は拡大していくとみられます。エリア別では、当面は自動運転技術に注力する自動車メーカーの拠点が多い欧州がけん引しますが、長期的には官民一体で自動運転技術の開発を進める中国が最大の需要エリアになるとみられます。
現状、自動運転システムの単価は、LIDARなど多くのセンサーや高度なAIチップを搭載したECUを採用しているため、ADASの約10倍となっています。今後、LIDARの低価格化は進むが検知精度向上のための複数搭載、また、他センサー類も高機能製品の搭載が増えるとみられ、システム単価が維持されることも市場拡大の要因となります。
3.ドライバーモニタリングシステムの世界市場
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2020年見込 |
前年比 |
2030年予測 |
2019年比 |
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81億円 |
2.5倍 |
2,785億円 |
87.0倍 |
車載カメラなどを用いてドライバーや同乗者の状態検知を行うシステムを対象とします。現状は近赤外線カメラを利用した検知が一般的ですが、精度向上のために検出AIのアルゴリズムの高度化や、ミリ波レーダーや脈拍センサー、超音波センサーなどの生体センサーの利用や組み合わせも検討されています。
2020年頃からドライバーの疲労検出を目的とした搭載が増えており、今後はドライバー監視機能の評価がEuro NCAPの適用対象となるため、今後も需要増加が期待されます。
自動運転車両では、現状ハンズオフ運転機能を有する自動運転レベル2の車両に搭載されています。また、自動運転レベル3から4の高度自動運転では、システムからドライバーへの運転タスク権限委譲の際にドライバーが運転可能な状態にあるかを確認するため搭載が必須になることが、市場拡大の追い風になると期待されます。今後は技術開発も加速し、ドライバーだけでなく助手席や後部座席で顔認識や状態検出を行う高機能システムの導入も想定されます。
【参考】本記事で使用した「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻」に掲載している調査対象市場
車載電装システム(システム/情報機器)
パワートレイン系
- エンジンマネジメントシステム
- 変速制御システム
HV/PHV/EV/FCV系
- 48V MHVシステム
- HV/PHVシステム
- EV/FCVシステム
走行安全系
- 横滑り防止装置(ESC)
- ステアリング制御システム
- ADAS/自動運転システム
- エアバッグシステム
- タイヤ空気圧警報システム
ボディ系
- ボディ統合制御システム
- エアコンシステム
- ヘッドランプシステム
- 電子キーシステム
情報系
- 車外通信システム
- 情報システム
- IVI/カーマルチメディアシステム
- カーナビ
- カーオーディオ/ディスプレイオーディオ
- HUD
- 車載メーターシステム
- 電子ミラー
- ドライバーモニタリングシステム
デバイス&コンポーネンツ
センサーモジュール/アクチュエーターモジュール
- レーダーセンサー
- 車載カメラ
- LIDAR
- 超音波センサー
- 生体センサー
- インジェクター
- パワーウィンドウモジュール
入出力系デバイス
- タッチパネル
- ハプティックデバイス
- LED
- ディスプレイ
- 車載マイク
- ルーフアンテナ
- ドライブレコーダー
- 小型モーター
HV/PHV/EV/FCV関連デバイス
- インバーターモジュール
- DC-DCコンバーター
- 駆動用モーター
- 二次電池
- 車載用充電器
◆本記事は「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。