株式会社富士経済は、スマートフォン製造関連での需要減少がみられますが、半導体やEV関連の設備投資の増加を受けてニーズが高まるFAロボットの世界市場を調査し、その結果を「2023年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 FAロボット編」にまとめました。
この調査では、製造業向けロボット17品目、半導体・電子部品実装向けロボット7品目、ロボット向け注目構成部材9品目の市場に加え、ソリューション・サービス2品目の市場についても現状を明らかにし、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2023年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 FAロボット編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
1.製造業向けロボットの世界市場
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2022年 |
2021年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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溶接・ |
3,995億円 |
108.0% |
5,298億円 |
132.6% |
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アクチュエ |
532億円 |
105.3% |
1,005億円 |
188.9% |
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組立・ |
8,340億円 |
114.0% |
1兆3,744億円 |
164.8% |
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クリーン |
1,313億円 |
110.2% |
1,671億円 |
127.3% |
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合 計 |
1兆4,179億円 |
111.5% |
2兆1,718億円 |
153.2% |
※市場データは四捨五入しています
製造業向けロボットの市場は、中国や欧州を中心にEV関連の設備投資が好調であり、車載バッテリー向けなどが伸びたことから、2022年は前年比11.5%増の1兆4,179億円となりました。
物流業界や三品業界(食品・医薬品・化粧品業界)は自動化ニーズが高く、今後はスカラロボットや小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)、垂直多関節ロボット(可搬重量21kg以上)、協働ロボットなどの伸びによって、市場拡大が続くとみられます。
溶接・塗装系は、主な用途である自動車業界の設備投資状況に左右されます。2022年の市場は、EV関連の設備投資増加を受けて、中国や米州で拡大しました。
中長期的には、EVの普及でエンジンやマフラーなど部品数が減少するため、設備投資は鈍るとみられ、市場の伸びが緩やかになると予想されます。
アクチュエーター系は、日本市場とアジア市場の構成比が高く、アジア市場の半分を中国が占めています。
2022年は中国のスマートフォン製造関連の設備投資抑制や、新型コロナウイルス感染症流行によるロックダウンなどの影響を受けながらも、車載関連や半導体製造関連、産業機器などで需要が増加し、市場は拡大しました。
2023年以降は、車載関連や半導体製造関連、産業機器向けの部材供給が正常化に向かうことにより、電動スライダーや単軸ロボットの需要が増えるため、2027年の市場は2022年比88.9%増が予測されます。
組立・搬送系は、2022年の市場はスマートフォン関連の設備投資減少の影響を受けて、スカラロボットや小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)など、電機・電子関連、コンシューマ機器関連でニーズの高いロボットが伸び悩みました。一方、車載バッテリーなどEV関連製品の伸びを背景に、垂直多関節ロボットのうち可搬重量50kg以上のロボットは需要が高まりました。
2023年はスマートフォン関連の需要増加は期待できないため、市場の伸びは小幅にとどまるとみられます。中長期的には小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)などの需要は底堅いため、市場は前年比10%以上の伸びが続くと予想されます。
クリーン搬送系は、2022年の市場は前年比10.2%増となりました。ウエハー搬送ロボットは、スマートフォン市場の縮小の影響を受けてメモリ関連を中心に設備投資が低調だったため、大幅な伸びには至りませんでした。ガラス基板搬送ロボットは、ディスプレイの生産能力が需要を上回る状況が続いており、設備投資が更新需要のみにとどまっていることから、前年比横ばいとなりました。
今後も、ガラス基板搬送ロボットはディスプレイ生産能力が需要を上回り、積極的な設備投資が期待できないことから、縮小するとみられます。ウエハー搬送ロボットは、2022年に過熱した半導体製造関連の需要に落ち着きがみられますが、米国では設備投資増加が期待されるため、堅調な伸びが予想されます。
2.半導体・電子部品実装向けロボットの世界市場
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2022年 |
2021年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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7,536億円 |
92.6% |
9,279億円 |
123.1% |
半導体・電子部品実装向けは、2022年の市場は中国におけるスマートフォン市場の減速の影響が大きく、前年比7.4%減となりました。特に、電子部品実装向けが大きく伸びた前年からの反動や部材不足の長期化を受けて、需要が落ち込みました。
2023年もスマートフォン関連の設備投資は抑えられるため、市場は縮小が続くとみられます。中期的には、EVや自動運転の普及に伴う車載電装品の伸びや、5G関連の基地局やサーバーといったネットワーク機器関連の需要が増加するため、高速モジュラーマウンターやフリップチップボンダーなどの伸びが期待され、市場拡大が予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.協働ロボットの世界市場【製造業向けロボット】
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2022年 |
2021年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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1,132億円 |
128.3% |
2,889億円 |
2.6倍 |
人に近い動作や作業環境・内容で利用し、組立や搬送などのシーンで人からの置き換えや協働を目的としたロボットを対象とします。
2022年は、製品の認知度や活用方法がユーザーに浸透してきたことや、上位メーカーの大幅な実績増により、市場は前年比28.3%増となりました。特に、可搬重量20kg~25kg前後の製品では、パレタイジング用途で人からの置き換えが進み、参入メーカーがラインアップを拡充したことから、市場拡大につながりました。
今後は、ハンドリングや検査工程だけでなく、安全柵を用いないパレタイジングなどの用途もさらに普及するとみられます。中国メーカーなど、参入メーカーの増加による選択肢の広がりや、人件費の高騰や自動化・省人化ニーズが高まっているASEANなどでの伸びも予想され、2027年の市場は2022年比2.6倍が予測されます。
2.垂直多関節ロボット(可搬重量21kg以上)の世界市場【製造業向けロボット】
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2022年 |
2021年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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3,593億円 |
118.3% |
4,992億円 |
138.9% |
可搬重量21kg以上の垂直多関節ロボットを対象とします。特定用途に特化したロボットは対象としません。
2022年は、EV関連の設備投資が活況となり、パレタイジング向けに可搬重量25kg前後、車載バッテリー向けに可搬重量50kg以上のロボットの需要が高まったため、中国や米州を中心に市場は拡大しました。
2023年は、EV関連では引き続き伸びが期待されますが、それ以外の電機・電子関連などで設備投資が縮小しているため、市場は微増にとどまるとみられます。
今後は、自動車関連以外への採用開拓を進めることで、さらなる市場拡大が期待されます。
3.リニア搬送システム市場[日本市場+日系メーカー海外販売]【ロボット向け注目構成部材】
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2022年 |
2021年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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22億円 |
110.0% |
68億円 |
3.1倍 |
リニアモーターとスライダー、コントローラーなどで構成され、生産ラインの中で対象製品を高速かつ高精度に搬送するシステムです。
2022年は、電子部品など部材不足の影響がみられましたが、高速かつ高精度で低発塵な搬送が実現できることや、レイアウト変更が容易で自由度の高い生産ライン構築が可能なことから、自動車部品や車載バッテリー、電子部品などの組み立てや搬送工程への普及が進みました。また、柔軟な生産ラインへの対応は、多品種少量生産の多い三品業界でも需要増加に繋がっており、市場は拡大しました。
今後は、EV関連の設備投資増加や、三品業界の需要増加を背景に市場が大きく拡大するとみられます。
4.FAケーブル市場[日本市場+日系メーカー海外販売]【ロボット向け注目構成部材】
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2022年 |
2021年比 |
2027年予測 |
2022年比 |
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222億円 |
116.8% |
280億円 |
126.1% |
FA関連装置に使用される可動用や動力供給用、通信制御用のケーブルを対象とします。なお、装置周辺に採用される固定用ケーブルは対象外とします。
2022年は、EV関連の設備投資増加を背景に製造業ロボット向けが伸長しました。半導体不足の解消に向けて半導体製造装置向けのウエハー搬送ロボットの需要が増加し、使用されるケーブルが増加したことから、市場は拡大しました。
2023年は、引き続きEV関連の製造業ロボット向けで引き合いが増加しますが、スマートフォン関連やウエハー搬送ロボットの受注の勢いが弱まっているため、市場は微増にとどまるとみられます。中長期的には、製造業ロボット向けの伸びに伴い、市場拡大が予想されます。
【参考】本記事で使用した「2023年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 FAロボット編」に掲載している調査対象市場
製造業向けロボット(17品目)
溶接・塗装系
- アーク溶接ロボット
- スポット溶接ロボット
- 塗装ロボット
アクチュエーター系
- 単軸ロボット
- 直交ロボット
- 電動スライダ
組立・搬送系
- 卓上型ロボット
- パレタイジングロボット
- 取出しロボット
- スカラロボット
- 小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下)
- 垂直多関節ロボット(可搬重量21kg以上)
- パラレルリンクロボット
- 協働ロボット
- アーム付AGV
クリーン搬送系
- ガラス基板搬送ロボット
- ウエハ搬送ロボット
半導体・電子部品実装向けロボット(7品目)
- 高速モジュラーマウンタ
- 中速モジュラーマウンタ
- 低速マウンタ
- 多機能マウンタ
- ダイボンダ
- ワイヤボンダ
- フリップチップボンダ
ロボット向け注目構成部材(9品目)
- FAケーブル
- 精密制御減速機
- ロボット用サーボモータ
- オートツールチェンジャ
- ロボット用力覚センサ
- ロボットビジョンシステム(2D/3D)
- セーフティレーザースキャナ
- 汎用ロボットハンド
- リニア搬送システム
ソリューション・サービス(2品目)
- ロボット制御ソリューション
- 協働ロボットレンタルサービス
◆本記事は「2023年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 FAロボット編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。