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DX関連の国内市場(投資額)を調査。2030年度の投資額を6兆5,195億円(2021年度比2.8倍)と推計

株式会社富士キメラ総研は、これまでの部分最適による業務改革・デジタル化から、急速な環境変化や不確実性への対応に向け、全社的な戦略や意思決定に基づき進められているDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の国内市場(投資額)を調査し、その結果を「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」にまとめました。

この調査では、業種別として製造、流通/小売、金融、医療/介護、交通/運輸/物流、不動産/建設、自治体、教育、社会インフラ/その他業界、業種共通として営業・マーケティング、カスタマーサポート、コミュニケーション、バックオフィス、戦略/基盤のDX関連市場(投資額)と、注目ソリューション9品目の市場動向を市場編に、DX関連ソリューションベンダー41社のビジネス戦略や国内企業のDXの実施状況や推進体制、投資分野/予算、課題などを把握するために実施したユーザーアンケートを「(同)ベンダー戦略編」にまとめました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編セット」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

DX関連の国内市場(投資額)

2022年度見込

2021年度比

2030年度予測

2021年度比

全体

2兆7,277億円

117.5%

6兆5,195億円

2.8倍

製造

2,990億円

115.4%

8,130億円

3.1倍

流通/小売

669億円

129.4%

1,852億円

3.6倍

金融

3,020億円

122.5%

8,880億円

3.6倍

交通/運輸/物流

3,842億円

119.5%

1兆1,795億円

3.7倍

不動産/建設

502億円

115.4%

1,514億円

3.5倍

バックオフィス(業種共通)

2,789億円

117.2%

6,515億円

2.7倍

※製造、流通/小売、金融、交通/運輸/物流、不動産/建設、バックオフィスは全体の内数です

DXは企業価値向上を実現する重要な経営課題の一つと位置付けられるとともに、最近では社会課題の解決につながる取り組みとしての認識が広がっています。大手企業を中心にDX戦略の策定および推進体制の構築が進んでおり、全社戦略として各部門や現場に合わせた具体的なDX施策に向けた投資が本格化しています。

業種別9分野、業種共通5分野のDX関連市場(投資額)は2022年度で2兆7,277億円が見込まれ、2030年度には6兆5,195億円に拡大すると予測されます。中でも、製造、流通/小売、金融、交通/運輸/物流、不動産/建設、バックオフィスなどの分野の伸びが注目されます。

製造は、環境変化への対応強化、技能継承/人材不足対策、脱炭素化への取り組みを軸に進められています。現状、スマートファクトリーへの投資規模が大きいです。他周辺システムとの連携を機にMES(製造実行システム)の更新や新規投資などが増えています。中小企業でもIoTによる設備/機械監視など部分的なスマートファクトリーへ向けた投資が活発化しています。生産現場のリアルなデータをバーチャルで構築・再現することで、業務効率化や品質向上を図るデジタルツインを活用するための投資が活性化するとみられます。

今後はデジタル現場支援や調達/購買DXなどが大きく伸びると予想されます。デジタル現場支援は、技能継承や人に依存する作業品質の向上を目的として、スマートファクトリーとの連携を目指し、関連データの収集/蓄積や分析に関する投資増が期待されます。調達/購買DXは、有事の際にその影響の迅速な把握や代替となる調達経路の確保へ向けたBCP対策の一環として、サプライヤー管理のニーズが高まったため、大手企業を中心に投資が拡大しています。今後はグリーン調達の実現に向けた取り組みも進展するとみられます。

流通・小売は、現状は次世代ショッピングの規模が大きいです。実店舗の人手不足を補い、来店客の購買体験を改善・拡充するフルセルフレジ、また、食品スーパーや総合スーパーではタブレット端末付きショッピングカートの導入が進んでいます。今後は無人店舗ソリューションの伸びも期待されます。ショッピング体験の拡充に向けては、小売事業者やSI、広告事業者がAR/VR技術を活用した展開を進めています。デジタルオペレーションでは、自動発注システムが食品や総合スーパーを中心に採用が広がっており、卸事業者のSCM向けの導入も期待され、また、需要予測システムは廃棄ロス削減やSDGs対応ニーズにより、全国展開する大手リテーラーで導入が進んでいます。

金融では、金融機関のデジタル化を支援するサービスへの投資から、BaaS(Banking as a Service)やエンベデッド金融、API活用などにより、金融と他業種のサービスを組み合わせた新サービス創出のための投資へと進展するとみられます。規模が大きいデジタル審査・予測は、支店数減少や人員削減を補うために個別最適化ニーズが高まり、今後も堅調に伸びると予想されます。次世代金融基盤サービスでは、オープンAPIの普及が進んでおり、あらゆるサービスが金融インフラを意識することなくシームレスに提供される仕組み作りへの投資が増えています。デジタル接客は、業界再編や店舗業務の効率化が進む中で、コミュニケーションロボットを活用した店舗の無人化や省力化を目的に伸びています。

交通/運輸/物流は、MaaSやコネクティッドの規模が大きいです。MaaSは、タクシー配車サービスなどの都市型MaaSを中心に投資が活発化しています。一方、地方型MaaSは過疎地域における交通手段の確保などを目的に導入されています。将来的には移動データを統合的に管理/分析するプラットフォームの登場により、都市型と地方型が融合し、投資拡大につながるとみられます。コネクティッドは、車両の走行状況や位置情報、運転情報を収集し、走行状況などのデータをダッシュボード化することで、コスト削減や運転技術のスコアリングなどの利活用につなげるための投資が多いです。CRMとの連携でフィールドサービス業における営業実績の可視化や、運転技術のスコアリング化による保険料の削減などでの活用もみられます。物流では、配送ルートの最適化やスマートロックを活用し、再配達業務の減少を目指した取り組みが進んでいます。

不動産は、大手企業向けの不動産管理クラウドサービスのほか、主に中堅/中小企業向けに導入が進む賃貸管理システムを中心に投資が増えています。2022年5月の宅建業法改正によって不動産契約の完全オンライン化が解禁されたことから、今後はその対応への投資拡大が予想されます。

建設は、建設現場のデジタル化として、ICT建機や既存建機向けのレトロフィットキットやIoTセンサーなどによる現場可視化、クラウド図面管理などの現場作業効率化ソリューションを中心に投資が拡大しています。

バックオフィスは、経理や人事への投資規模が大きいです。経理は、電子帳簿保存法改正やインボイス制度への対応やペーパーレス化による業務効率化/テレワーク対応などの需要が底堅いです。今後は請求書のデジタル化やデジタルマネーによる給与支払い解禁などへの対応で伸びるとみられます。人事は、人的資本経営の認知度向上や従業員のリスキリングなどによる向上を目的とした導入増加が予想されます。法務は、法改正などに加え、官公庁や業界団体が契約の電子化を推進する取り組みにより契約の電子化が進んでいます。それに伴い、契約書の管理やチェックといった周辺業務でもデジタル化が進むとみられます。

ユーザーアンケート(インターネットリサーチ)

1.勤務先のDXの取り組み状況 ※N=612(シングルアンサー)

選択肢

回答率

既に取り組みを開始しており、具体的な施策を実行している

36.8%

取り組みを開始しているが、検討や実証実験段階である

31.0%

今後3年以内に取り組みを開始する計画がある

13.4%

時期は未定であるが取り組む計画がある

9.8%

今後取り組む予定であるが、具体的な計画はない

9.0%

具体的な施策を実行しDXに取り組んでいるユーザーは36.8%、検討や実証実験段階でDXに取り組んでいるユーザーは31.0%であり、合わせて67.8%が取り組みを開始しています。今後3年以内に取り組みを開始するとしたユーザー13.4%も含め、DXに対する積極的な姿勢がみられます。

2.DXを導入する上で不足している人材(上位5項目) ※N=612(マルチアンサー)

選択肢

回答率

DXの企画、推進、普及促進を行う人材

46.9%

エンジニア/プログラマ(社内SE)

36.9%

デジタルマーケティング

34.2%

データサイエンティスト

27.6%

ビジネス/サービスデザイナー
(新規サービスの創出、設計を担う人材)

26.3%

不足している人材として「DXの企画、推進、普及促進を行う人材」の回答率が46.9%と最も高いです。「エンジニア/プログラマ(社内SE)」、「デジタルマーケティング」なども回答率が3割を超えています。

3.DXの導入における課題/問題について(上位5項目) ※N=612(マルチアンサー)

選択肢

回答率

利用/導入コストが高い

49.2%

費用対効果が不透明

43.8%

社内にDX関連技術を理解しているエンジニアがいない

32.2%

社内にDXのビジネスモデルを構築するプランナーがいない

31.4%

導入における目的、課題が不明確、あいまい

30.7%

導入課題として、「利用/導入コストが高い」の回答率が5割弱です。「費用対効果が不透明」とする回答も多いです。また、エンジニアやプランナーなどのDX人材の不足も課題としてあげられています。

【参考】本記事で使用した「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」に掲載している調査対象市場

市場編

DX

  • 業種別
    製造
    流通/小売
    金融
    医療/介護
    交通/運輸/物流
    不動産/建設
    自治体
    教育
    社会インフラ/その他業界

  • 業種共通
    営業・マーケティング
    カスタマーサポート
    コミュニケーション
    バックオフィス
    戦略/基盤

注目ソリューション

  • DXコンサルティングサービス
  • データ分析サービス
  • DX人材教育サービス
  • モダナイゼーションソリューション
  • ローコードプラットフォーム
  • ノーコードプラットフォーム
  • ローカル5G
  • イジングマシン(量子アニーリングマシン)
  • クラウド型動画自動生成ツール

ベンダー戦略編

ソリューションベンダー事例分析

  • ソリューションベンダー41社

ユーザーアンケート調査

  • 調査対象:年商10億円以上の企業に所属し、DXに関する自社の取り組みを把握している従業者612名
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査期間:2022年11月25日~28日

◆本記事は「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。