本文にスキップする

富士経済グループ 市場調査サポートサイト

サービスロボット市場を調査。2035年の世界市場を11兆5,481億円と推計。高齢化と労働力不足を背景とした自動化・省人化ニーズにより今後も市場は続伸

株式会社富士経済は、近年、飲食店では配膳・下げ膳や調理業務を代替し、商業施設・宿泊施設・オフィスビルでは案内や清掃、警備を担い、インフラ施設や工場などでは点検業務を行い、屋外では商品や医療物資を配送するなど、私たちの日常に急速に溶け込みだしたサービスロボットの市場を調査しました。その結果を「2025年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 サービスロボット編」にまとめました。

この調査では、メディカル・ケア、商業・サービス業、現場作業といった3分野24品目のサービスロボットについて、導入先の傾向やロボット技術・多機能化の動向などを把握しつつ、世界市場の現状と今後を展望しました。また別途、米国や中国を中心に開発が過熱している注目のヒューマノイドロボットや四足歩行ロボットの世界市場、注目のサービスロボット関連ソリューションの国内市場についても整理しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、『2025年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 サービスロボット編』をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.サービスロボット(3分野24品目)の世界市場

526098.png

3分野24品目のサービスロボット市場は、2025年に前年比13.6%増の2兆7,415億円が見込まれます。サービスロボットの普及には依然として導入コストや導入環境面で課題が残りますが、AIやIoTをはじめとする技術の進展により、ロボットが担える業務領域は着実に拡大しています。一方、ユーザーニーズは一層多様化し、費用対効果に優れた多機能型ロボットの需要が増加しています。また、特定業務に特化した単機能型ロボットの導入メリットも浸透しつつあります。今後も世界各国での高齢化、労働力不足や人件費高騰などを背景に、自動化・省人化の切り札としてサービスロボットの需要は高まることから、市場は拡大が続くと予想されます。

メディカル・ケア分野の市場は、2025年に前年比16.8%増の5,155億円が見込まれます。高齢化を背景に、患者や要介護者が増加する中、医療・介護従事者の作業負担の軽減を目的に導入が増加しています。手術支援ロボットが市場の約9割を占めています。2024年は中国の景気低迷や韓国における医師の大規模ストライキなどの影響を受けながらも、近年相次いだ新製品の市場投入、ロボット活用における包括的なユーザートレーニングの進展や新規術式の採用などを追い風に、国内外で需要が増加しました。今後も世界各国で医師不足が続くとみられ、さらなる需要増加が予想されます。また、主に介護で活用されるアシストスーツや移乗ロボット、排泄支援ロボット、入浴支援ロボットなどは、高齢化が加速しているアジア圏を中心にニーズが高まっています。高齢者人口が多く、医療・介護分野へのロボティクス技術の実装が国策として進められている中国では、特にニーズが高いです。

商業・サービス業分野の市場は、2025年に前年比17.9%増の2,105億円が見込まれます。新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、2020年以降、飲食店や宿泊施設、医療機関、オフィス、教育機関などで増加した非接触ニーズは近年落ち着いてきましたが、様々な施設に導入が進んだことにより、一部のロボットは社会的受容性が高まりつつあります。また、人流が新型コロナ流行前に戻る中、接客や清掃、警備、調理などの業務では人手不足が深刻化しており、ロボットを活用した業務の自動化・省人化ニーズが以前よりも増しています。

現場作業分野の市場は、2025年に前年比12.4%増の2兆156億円が見込まれます。サービスロボット市場の約7割を占める巨大なマーケットになっています。建設やインフラ、製造、物流、農業などでは、世界的に人手不足や作業員の高齢化が進行しており、年々導入ニーズが増加しています。品目別にみると、ドローンの市場構成比が最も高いです。空撮用途での導入が増加しています。今後は配送用途での導入増加も期待されます。デリバリーロボット(屋外)は、米国ではフードデリバリー事業、中国では製造・物流事業への導入増加で伸びています。遠隔操作建設ロボットや無人農業機械、自動収穫ロボットなどは、現状では試験的な導入が多いですが、中長期的には本格導入が期待されます。

2.ドローン(現場作業分野)

515140.png

産業や商業で使用されるドローンを対象とし、ホビーユース製品や、イベントなどのパフォーマンスで使用される製品、軍事用製品は対象外とします。現状は、空撮向け製品を測量や点検、警備などに活用することで業務の自動化・省人化が図られています。空撮向け製品以外では、農業の人手不足を背景に農薬散布向け製品の導入も堅調です。直近では、配送向け製品の開発も進んでいます。すでに中国や米国などではドローンを活用した商品配送サービスが展開されています。

2024年の市場は、測量や点検目的を中心に、防衛意識高まる各国の国境警備や監視、偵察目的でも導入が進み、前年に続き拡大しました。2025年には前年比6.7%増の9,600億円が見込まれます。今後は、測量や点検、警備・監視、偵察といった空撮用途を中心に、中国や米国では配送用途での導入増加も期待され、さらなる市場拡大が予想されます。

国内では、点検や測量目的、農業での導入が多いが、製品開発が進められている配送用途も今後堅調に需要が増加するとみられます。

◆注目個別市場サマリー

1.ヒューマノイドロボットの世界市場

106661.png

ここでは人間の形状および動作特性を模倣した二足歩行型のロボットを対象とします。下半身が自律移動可能な駆動部で、上半身が人型のセミヒューマノイドロボットも含めました。主に研究開発用途や二次開発用途、工場や倉庫、医療・介護業務での導入がみられる。家庭分野への普及を目標とする企業も多いですが、実用化には時間を要するとみられます。

米国や中国では製品開発が活発化に行われ、2023年から2024年にかけて製品展開が本格化し、製造業で導入が増加したことから注目度が急速に高まり、市場が急成長しています。2025年の市場は、前年比2.6倍の490億円が見込まれます。現状、量産化フェーズにある企業は限定的ですが、2025年から2027年にかけて量産体制が整備・強化され、製品導入が活発化するとみられます。高齢化や労働力不足などに加え、AI技術などの進展、各国の政策支援などが追い風となり、今後も市場は拡大が予想されます。

課題は、開発コスト、ハンド部分の技術向上、安全性などの社会的受容性です。用途や機能などによって開発に莫大な費用を要するため政策支援などが必要とされています。また、技術面では二足歩行以上にハンド部分における制御技術の向上が普及要件となります。長期的には、家庭分野への製品展開が期待されますが、安全性の向上やプライバシーの保護などにより社会的受容性が高まることが条件となります。

国内では、これらの課題に対する懸念が強いため、製品開発を行う企業が限定的であることから、今後中期的には、中国をはじめとする海外製品の導入が先行しています。しかし、長期的には品質や安全性の面から対応力の高い国内メーカーへの期待が高まると予想されます。

2.サービスロボット保守代行サービスの国内市場

687913.png

ここでは、ロボットメーカーやその販売代理店とは異なるサービスベンダーが提供する、キッティングやマッピングなどの導入設定、導入後の定期点検や故障・不具合時の修理・メンテナンスなどの保守サービスを利用する業務用サービスロボットを対象とし、市場はその台数としました。なお、AGVなどの産業向けロボットや家庭用ロボットなどは除きます。

中国など海外の配膳・下げ膳ロボットや業務用清掃ロボットの導入増加に伴い、導入時や導入後のサポートとしてサービスの利用が進んでおり、市場が急拡大しています。

2024年の市場は、海外製品の導入増加に伴い、堅調に拡大しました。また、新たに国内市場に投入された海外ロボットの保守代行を始めるサービスベンダーや、警備ロボットなど普及しつつあるロボットの保守代行を開始するサービスベンダーもみられました。2025年は、数千台の契約が期待されるサービスベンダーもあり、市場は前年比35.0%増の1万3,500台が見込まれます。今後もサービスに対する需要は高水準を維持し、拡大が予想されます。

【参考】本記事で使用した「2025年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 サービスロボット編に掲載している調査対象市場

サービスロボット

メディカル・ケア分野

  • アシストスーツ
  • 手術支援ロボット
  • 移乗ロボット
  • 排泄支援ロボット
  • 入浴支援ロボット

商業・サービス業分野

  • 業務用コミュニケーションロボット
  • テレプレゼンスロボット
  • 業務用清掃ロボット
  • 警備ロボット
  • 配膳・下げ膳ロボット
  • デリバリーロボット(施設内)
  • 棚管理ロボット
  • 調理ロボット
  • 寿司ロボット
  • 米飯盛り付けロボット

現場作業分野

  • 自動建設ロボット
  • 遠隔操作建設ロボット
  • インフラ点検ロボット
  • ドローン
  • デリバリーロボット(屋外)
  • AGV・AMR
  • 業務用芝刈ロボット
  • 無人農業機械
  • 自動収穫ロボット

注目サービスロボット

  • ヒューマノイドロボット
  • 四足歩行ロボット
  • 屋外で飛行・走行するサービスロボット

注目サービスロボット関連ソリューション

  • ロボットプラットフォーム
  • サービスロボット保守代行サービス

導入先分類(業種・施設)

医療・介護、飲食店、小売店舗・商業施設、宿泊施設、オフォスビル、製造業、物流業、農業、教育、インフラ施設、公共施設

◆本記事は『2025年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 サービスロボット編』より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。