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水素ガスや製造設備、水素ガスタービンなど世界市場を調査。2040年度の水素利用関連市場を97兆9,554億円と予測

株式会社富士経済は、カーボンニュートラル実現を目指す上で重要な役割を果たすと期待される水素ガスやその製造設備、アプリケーション機器といった水素利用関連の世界市場を調査し、その結果を「2026年版 水素利用市場の将来展望」にまとめました。

この調査では、水電解をはじめとした水素製造設備、自動車や発電などのアプリケーション機器、水素ステーション関連機器についての市場や水素サプライチェーンの構築動向の現状を捉えたほか、水素の社会実装に向けた世界各国の水素政策、資源政策を整理しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2026年版 水素利用市場の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.水素利用関連の世界市場

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水素ガスのほか、水素関連機器として、水素製造設備、水素を利用するアプリケーションである燃料電池車両(乗用車、トラック、バス、フォークリフト)、発電設備(水素ガスタービン発電、アンモニア発電)、水素還元製鉄(DRI)を対象としました。

現在50を超える国が水素戦略を策定しており、ロシア産天然ガスからの脱却を目指す欧州各国をはじめとして、中東やインド、中南米などでは国内資源を活用した水素による自国内のエネルギー自給率の向上や他国への輸出拡大に意欲的な姿勢をみせています。日本では、世界に先駆けて2017年に「水素基本戦略」を公表し、利用拡大に向けた低炭素水素利用プロジェクトを進めています。各国が今後本格化する水素産業をリードすべく、製造・輸出・利用などの開発や支援を進めており、市場は拡大が予想されます。

水素ガスは、カーボンニュートラル実現に向けて、将来的には自動車用と発電用が大きく伸長し、市場拡大をけん引するとみられます。水素関連機器としては、2030年代半ばまでは発電設備が拡大をけん引し、以降は燃料電池車両が成長します。また、増加する水素ガス需要に対応するため、水素製造装置も伸長が予想されます。

◆注目個別市場サマリー

1.水素ガス

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水素ガスの用途は主に産業用、自動車用、発電用が挙げられます。現状の水素需要は産業用に集中し、石油精製やアンモニア製造、メタノール製造などで利用されています。最も比率の高い用途は石油精製ですが、脱炭素化の流れの中で、長期的には減少していくとみられます。

自動車・発電用の水素ガス市場は2025年度見込で3,808億円と僅かですが 、2030年度以降徐々に拡大し、2040年度には水素ガス市場の25%程度を占めるとみられます。現状、発電によるCO2排出量が多いため、燃焼時にCO2を排出しない水素系燃料を用いた発電方法への切り替えが進められており、それにより発電用が市場拡大をけん引すると予想されます。

なお、燃料電池車両は、乗用車の導入が先行して進められましたが、車両価格の高さやインフラ整備の課題もあり導入台数は伸び悩んでいます。一方、長距離を走行する商用車は1台当たりの水素需要量が多いとされ、燃料電池車両の本命とされています。既に小型トラックや市内循環バスが量産され、大型車両の開発も進められていることから、大型商用車の普及が自動車用での水素需要増加に寄与するとみられます。

2.水素ガスタービン発電

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LNG火力発電の天然ガス燃料の一部、もしくは全部を水素で代替する発電設備、アンモニアを燃焼させ発電するガスタービンを対象とします。天然ガスと水素の混焼、もしくは水素専焼化による火力発電の低炭素化を見据えた実証が進められており、導入が進んでいくことで、市場拡大が予想されます。

日本では、2025年4月に国内で初めて商用規模の発電所で水素混焼実証が行われました。欧州では、再生可能エネルギーの主力電源化を進める中で、調整電源として導入が本格化しています。ドイツやオランダ、英国などが国家戦略で水素発電の利用を進めており、特にドイツでは、今後廃止予定の石炭火力を置き換える規模に相当する約15GWの水素対応ガスタービン(混焼・専焼含む)を2035年までに導入する計画です。

市場拡大には、低炭素水素の供給体制の整備と調達コスト低減が不可欠です。参入企業各社は水素の普及状況に合わせ、水素混焼率に応じた燃焼器のラインアップ拡充を進めることで、水素発電の本格稼働を見据えた準備を進めています。

3.水素製造設備

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改質型は、天然ガスなど化石燃料由来原料から水素を製造する設備です。最もコストが安い製造手法であり、現状水素ガスの大部分は改質型によって製造されています。

技術的に成熟していますが、水素ガス製造時に大量のCO2が発生するため(グレー水素)、環境価値が認められない場合が多いです。そのため、製造工程で発生するCO2を回収・貯留し、低炭素なブルー水素へ転換するプロジェクトが立ち上がっています。CO2貯留サイトへのアクセスが良く、天然ガスの安定調達が可能なエリアを中心に、2030年にかけて導入が進み、市場拡大とともに、低炭素水素の供給量が増加するとみられます。

水電解型は、水の電気分解により水素を製造する方法です。
2025年度は、米国や欧州において数十MW級の設備が稼働を開始しており、市場は前年度比3.8倍が見込まれます。中国は内陸部の豊富な再エネ資源と国策支援により最も大きな市場を形成しています。欧州ではEU加盟国を中心に、水素の製造・利用へ意欲的な姿勢を示し、需要の見通しが立ちやすい産業用での製造プロジェクトが進められています。なお、日本ではオンサイトによる水素の地産地消プロジェクトを中心に市場が形成されつつあります。

水素の製造コストは電力価格に大きく左右されるため、安価に再エネ電力が調達可能なインド、中東、中南米、アフリカで、GW級の大型案件が2030年ごろの稼働をめざして複数検討されています。それらの大規模水素製造プラントの稼働を契機に、2030年度以降より市場拡大が本格化するとみられます。

【参考】本記事で使用した「2026年版 水素利用市場の将来展望」に掲載している調査対象市場

水素ガス・水素キャリア、水素製造技術

  • 水素ガス(自動車・産業・発電)
  • アンモニア
  • LOHC(液体有機水素キャリア)
  • 改質型水素製造
  • 水電解型水素製造(PEM・アルカリ)
  • 次世代型水電解水素製造(AEM・SOEC)
  • メタン熱分解

水素インフラ(輸送・貯蔵)、国際取引

  • 水素海上輸送(大規模輸送)
  • 水素陸上輸送(液化ローリー、高圧ガス、水素パイプライン)
  • 水素受入設備・拠点
  • 再エネ水素貯蔵(地下貯留、水素ESS)

高度水素利用アプリケーション(発電、Hard-to-abate 領域)

  • 水素ガスタービン発電
  • アンモニア発電
  • 水素還元製鉄
  • 産業用水素バーナー
  • 水素エンジン(自動車、二輪車、発電機、船舶)

水素貯蔵、水素安全

  • 高圧容器(車載)
  • 水素吸蔵合金
  • 水素センサー(車載)

水素ステーションおよび関連機器[国内市場]

  • 水素ステーション(商用、事業用、緊急用)
  • 水素コンプレッサー
  • 水素ディスペンサー
  • 再エネ水素貯蔵(地下貯留、水素ESS)
  • 蓄圧器
  • オンサイト水素発生装置
  • 液化水素設備
  • 水素バルブ
  • 水素センサー

◆本記事は「2026年版 水素利用市場の将来展望」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。