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カーボンニュートラル基礎化学品の市場を調査。2050年の世界市場を88兆6,542億円(2024年比5.6倍)と推計

株式会社富士経済は、既存技術によるCO2排出削減が困難とされる化学産業のうち、特に製造過程で大量の温室効果ガス(GHG)を排出するものの、新たな技術で対応が進む基礎化学品のカーボンニュートラル化(カーボンニュートラル基礎化学品)の世界市場を調査しました。その結果を「カーボンニュートラル基礎化学関連市場の現状と将来展望 2026」にまとめました。

この調査では、カーボンニュートラル基礎化学品としてケミカルリサイクル由来品3品目、バイオマス由来品5品目、CO2由来品3品目、アルコール由来品1品目、また、カーボンニュートラル基礎化学品の製造に関わる変換・合成プロセス技術10品目の世界市場を分析し、将来を予想しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「カーボンニュートラル基礎化学関連市場の現状と将来展望 2026」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

1.カーボンニュートラル基礎化学品の世界市場

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熱分解油、ケミカルリサイクル由来ナフサ、解重合モノマー、バイオメタノール、バイオエタノール、バイオガス/バイオメタン、バイオマスナフサ、バイオマスモノマー、CO2由来合成ガス、e-メタン、e-メタノール、メタノール・エタノール由来化学品を対象とします。

熱分解油、ケミカルリサイクル由来ナフサ、解重合モノマーのケミカルリサイクル由来品は、化学品用途が主軸であり、欧州を中心に徐々に市場が本格化しています。主に欧州でプラスチックの水平リサイクル(使用済み製品を、再び同じ製品や用途に再生する)を目的とした生産設備への投資が活性化していることから、熱分解油を中心に堅調な伸びがみられます。

バイオメタノールやバイオエタノール、バイオガス/バイオメタンなどのバイオマス由来品の市場規模がもっとも大きく、主に燃料用途での実用化が進んでいます。バイオエタノールは、現状バイオマス由来品の7割以上を占めていますが、化学品用途は1割程度(数量ベース)です。バイオガス/バイオメタンは今後大きな伸びが予想されますが、多くは燃料用途になるとみられます。現状の市場規模は小さいですが、今後大幅な伸長が期待されるのはバイオマスモノマーです。既存の基礎化学品と同様の成分であるため、ドロップイン方式でさまざまな化学品の製造プロセスに使用することが可能です。品目によっては燃料用途が大半で、化学品用途での採用は限定的となりますが、多くの企業や研究機関が化学品用途の開拓を目的に製品開発や原料調達のサプライチェーン構築などを進めています。

CO2由来合成ガスとe-メタン、e-メタノールのCO2由来品は、化学品原料となるCO2由来合成ガスと、化学品や燃料となるe-メタンやe-メタノールで動向が異なります。CO2由来合成ガスは、多用途に展開可能な中間原料として実証製造が進められている段階です。e-メタンやe-メタノールは、都市ガスや船舶用など特定用途の燃料として生産規模の拡大に向けた設備投資が進められています。どちらもCO2の分離回収技術や水素の調達などで課題がありますが、2030年以降大幅な伸びが期待されます。

アルコール由来品は、メタノール・エタノール由来化学品を対象とします。現状、市場は立ち上がっていませんが、2030年頃からバイオマスやCO2を原料としたメタノール・エタノールによる化学品製造が立ち上がるとみられ、特に中国では既存のMTO/MTP(メタノールからエチレン、プロピレンを製造する方法/メタノールからプロピレンを製造する方法)プラントにe-メタノールなどを投入する形で実用化が進むとみられます。

2.変換・合成プロセス技術の世界市場

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ケミカルリサイクル(油化)、ケミカルリサイクル(モノマー化)、ケミカルリサイクル(ガス化)、合成ガス化、メタネーション、e-メタノール合成、e-エタノール合成、メタノール・エタノール変換、CO2分離回収(化学吸収法・その他技術)に関連する装置・プラントの設置費用で市場を捉えています。

現状では、CO2分離回収やe-メタノール合成が先行し、市場の7割程度を占めています。

今後の動きが注目されるケミカルリサイクルは、油化やガス化、解重合によるモノマー化など複数の手法で実用化に向けた取り組みが進められ、中でも使用量・廃棄量が多いPP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)の処理が可能で、既存の石油精製・ナフサクラッカーの設備が利用できる油化が先行しています。長期的には油化に加えて、混合廃プラスチックなど雑多な廃棄物の処理が可能なガス化技術の採用拡大が予想されます。現状、熱源転換やメタネーションなどは実用化に向けた技術開発の段階ですが、2030年代の商用化が期待されます。

将来的にはCO2分離回収やe-メタノール合成などが市場をけん引しますが、ケミカルリサイクル(ガス化)や合成ガス化なども大きく伸びるとみられます。

◆注目個別市場サマリー

ケミカルリサイクル由来品

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欧州を中心にプラスチックの水平リサイクルを目的とした設備投資が旺盛であり、食品容器包装や自動車部品、衣料品が主要用途であるほか、化粧品やトイレタリー容器での使用増加が期待されています。

熱分解油は、欧州を中心に油化設備の新設案件が増えていることから、経済不況や資材高騰を背景に一部でプロジェクトの中止や遅延がみられますが、堅調に伸びています。原料となる廃プラスチックや廃タイヤのリサイクルが可能であり、また、石油由来ナフサと比べてCO2排出を削減できる利点により、今後の使用増加が期待されます。

ケミカルリサイクル由来ナフサは、国内外ともにPPやPEを中心に利用が増えています。特に欧州を中心に油化設備の新設が増加しています。今後、EUのPPWR(包装・包装廃棄物規則)や、ELV規則案(使用済み自動車の適切な廃棄とリサイクルの促進に関する規則)を軸にプラスチック規制への対応を図るメーカーやブランドオーナーが増加するに伴い、マテリアルリサイクルの補完としてケミカルリサイクル由来ナフサの販売が広がるとみられ、2030年以降は急激な市場拡大が予想されます。

解重合モノマーは、化学的処理によって、回収した廃プラスチックを元のプラスチック原料モノマーに解重合した化学品で、原料として使用され各種CR(ケミカルリサイクル)プラスチックへ再重合して使用されます。

PET(ポリエチレンテレフタレート)解重合モノマーとPA6(ポリアミド6)解重合モノマーの実用化が先行しています。PET解重合モノマーは、繊維や飲料PETボトル用途を中心としたCR-PET向けで使用されており、PA6解重合モノマーは、衣料や高級カーペット用途を中心としたCR-PA6向けで使用されています。どちらも欧州や中国、アジアを中心に伸びています。PS(ポリスチレン)解重合モノマーとPMMA(アクリル樹脂)解重合モノマーは、現状での使用は限定的です。どちらも2020年代後半から解重合設備の本格稼働が開始されるとみられ、将来的には商用化に伴い需要増加が期待されます。

【参考】本記事で使用した「カーボンニュートラル基礎化学関連市場の現状と将来展望 2026」に掲載している調査対象市場

カーボンニュートラル基礎化学品

ケミカルリサイクル由来品

  • 熱分解油
  • ケミカルリサイクル由来ナフサ
  • 解重合モノマー

バイオマス由来品

  • バイオメタノール
  • バイオエタノール
  • バイオガス/バイオメタン
  • バイオマスナフサ
  • バイオマスモノマー

CO2由来品

  • CO2由来合成ガス
  • e-メタン
  • e-メタノール

アルコール由来品

  • メタノール・エタノール由来化学品

変換・合成プロセス技術

  • 熱源転換
  • ケミカルリサイクル(油化)
  • ケミカルリサイクル(モノマー化)
  • ケミカルリサイクル(ガス化)
  • 合成ガス化
  • メタネーション
  • e-メタノール合成
  • e-エタノール合成
  • メタノール・エタノール変換
  • CO2分離回収(化学吸収法・その他技術)

◆本記事は「カーボンニュートラル基礎化学関連市場の現状と将来展望 2026」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。