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5G通信関連の市場を調査。2030年の世界市場を予測

株式会社富士キメラ総研は、2020年に先進国の主要キャリアが5G通信サービスを開始したことで、新型コロナウイルス感染症の影響がありながらも好調な5G通信対応エッジ機器、米中貿易摩擦の影響がみられながらも引き続き堅調な基地局や基地局向けデバイスなど、5G通信関連の世界市場を調査しました。その結果を「5G通信を実現するコアテクノロジーの将来展望 2021」にまとめました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「5G通信を実現するコアテクノロジーの将来展望 2021」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

「5G通信を実現するコアテクノロジーの将来展望 2021」の全体サマリー

基地局の世界市場

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※5G通信に加え、LTE、その他も含みます

5G通信のサービス開始などにより、各国が急速に設備投資を進めており、市場は堅調に拡大しています。これまではD-RAN基地局が中心でしたが、直近ではC-RAN基地局が増えています。C-RAN基地局は当面伸びが続きますが、BBU・CU・DU(ベースバンド処理装置)の設置場所を親局とし、親局から10km圏内に子局(光張出し局)としてRRH・RU(無線送受信装置)を複数設置することで、一局あたりのカバーエリアが広くなることや、5G通信向けの投資も落ち着くことで、中長期的には市場はピークアウトしていくとみられます。

C-RAN基地局

BBU・CU・DUとRRH・RUが分離され、BBU・CU・DUが光ファイバーで接続した複数のRRH・RUを集中的に制御するC-RAN基地局を対象とします。

RRH・RUの追加でエリア内の混雑地域対策やカバー率向上などが可能であり、キャリアにとって設備投資のコストが抑えられるとともに、複数の基地局を集中制御することで通信の安定性や品質を担保できるメリットがあります。

光ファイバーの敷設など初期投資コストはD-RAN基地局と比較して高いため、光ファイバーの敷設が進んでいる日本や中国などで導入が進むとみられます。特に新規投資をほぼC-RAN基地局で行う中国が需要の半数近くを占めており、市場の拡大をけん引しています。しかし、2023年以降中国での投資が一巡することで、市場はピークアウトしていくとみられます。

D-RANマクロセル基地局

カバーエリアが数10kmと広く、送受信に必要なアンテナやBBU・CU・DU、RRH・RUが一体化した出力100W以上のD-RAN基地局を対象とします。

市場はLTE向けの投資が一巡したため、縮小しています。5G通信向けは、光ファイバー網の敷設が進んでいないという理由からC-RAN基地局へ移行がみられない新興国や欧州などで、短期的にはSub6を中心に緩やかに伸びるとみられます。なお、光ファイバーの敷設が十分に進んでいる地域ではC-RAN基地局への移行が進んでおり、中長期的には5G通信投資の一巡により、縮小していくとみられます。

D-RANスモールセル基地局

送受信に必要なアンテナやBBU・CU・DU、RRH・RUが一体化した出力100W未満のD-RAN基地局を対象とします。

マクロセル基地局と比較して出力が小さく、高トラフィックエリアでの通信品質の向上やホワイトスペース対策など、カバーエリアが比較的狭い場所に採用されていました。今後は、カバーエリアの確保はマクロセル基地局、高トラフィック対応はC-RAN基地局の光張出し局での対応が一般的となるため、市場は消滅するとみられます。

◆注目個別市場サマリー

長期的には基地局市場は縮小が予想されますが、複数のRRH・RUを設置できるC-RAN基地局の増加により、RRH・RU市場が拡大するとみられます。また、RRH・RUに搭載されるアンテナやRFフロントエンドは5G通信では一体型が推奨されており、大幅な市場拡大が予想されます。

1.RRH・RU

2021年予測

2030年予測

2019年比

4,290億円

4兆8,983億円

38.4倍

RRH・RUは、BBU・DUから受け取った信号を変換し、RFフロントエンドのパワーアンプで信号を増幅する無線送受信装置であり、複数のRFフロントエンドやデジタルフロントエンドをまとめたユニットを対象とします。

D-RAN基地局など従来型基地局では、BBU・CU・DU一つでRRH・RU一つに対応していましたが、C-RAN基地局の登場により、BBU・CU・DU一つで複数のRRH・RUを制御できるようになります。基地局のカバーエリアの確保を目的に光張出し局としてRRH・RUの需要が増加しており、今後の市場拡大が予想されます。

2.基地局向けアンテナ

2021年予測

2030年予測

2019年比

9,590億円

2兆470億円

3.7倍

基地局で採用されるアンテナを対象としました。

5G通信のサービス開始に伴い、カバーエリアの拡大が各キャリアにとって最優先事項となっており、市場が拡大しています。

これまで、基地局のアンテナはRRH・RU内のRFフロントエンドとアンテナをケーブルで接続するパッシブアンテナが主流でしたが、5G通信以降はRFフロントエンドと一体化したMassive MIMOアンテナなどのアクティブアンテナが推奨されています。

C-RAN基地局の光張出し局としてRRH・RUが増えることによるアンテナ需要の増加に加え、パッシブアンテナと比較し高価格なアクティブアンテナの増加により、市場は拡大していくとみられます。

3.基地局向けRFフロントエンド

2021年予測

2030年予測

2019年比

6,000億円

3兆2,230億円

9.5倍

RRH・RUに搭載されるRFフロントエンドを対象とします。

基地局は複数の周波数に対応しており、RFフロントエンドは対応周波数やMIMOごとに必要となります。また、5G通信で推奨され今後の需要増加が期待される一体型のMassive MIMOアンテナでは、アンテナ素子が32個や64個など多数搭載されており、アンテナ素子一つにRFフロントエンドが一つ搭載されることから、今後はMassive MIMOアンテナの需要増加に伴い、大幅な市場拡大が予想されます。

4.スマートフォン

2021年予測

2030年予測

2019年比

全体

13億3,000万台

14億6,000万台

103.5%

5G通信対応

5億3,000万台

14億台

119.7倍

※5G通信対応は全体の内数です

先進国の主要キャリアが5G通信サービスを開始した2020年のスマートフォン市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、外出自粛や消費行動の減退もあり、ユーザーの買い替えが進まず、前年比二桁減が見込まれます。このうち、5G通信対応のスマートフォンは、Appleが「i Phone 12」で5G通信対応製品を発売し、ほかにも多くの中国メーカーが普及価格帯の製品を発売したことで市場は拡大しており、20%弱が5G通信対応とみられます。

2021年以降は、2020年の買い控えの反動により緩やかな拡大が続くとみられます。5G通信対応製品は中国メーカーを中心に、LTE対応のミドルレンジ製品と同程度の価格で購入できるようになっており、今後も低価格化の進展により、普及していくとみられます。

現在ではSub6が中心であり、ミリ波はフラグシップモデルでの採用にとどまっていますが、中国でのサービスインが想定される2022年以降、徐々に増えていくとみられます。

【参考】本記事で使用した「5G通信を実現するコアテクノロジーの将来展望 2021」に掲載している調査対象市場

アプリケーション

基地局

  • D-RANマクロセル基地局
  • D-RANスモールセル基地局
  • C-RAN基地局

エッジ機器

  • スマートフォン
  • CPE
  • スマートグラス
  • 自動車
  • 農業機械・建設機械
  • LTE・5G通信モジュール

基地局向けデバイス・材料

基地局向けデバイス

  • 基地局向けアンテナ
  • RRH・RU
  • BBU・CU・DU
  • 基地局向けRFフロントエンド
  • 基地局向けGaNパワーアンプ
  • 基地局向けプロセッサー
  • モバイルフロントホール向け光トランシーバー

基地局向け材料

  • 低誘電対応銅張積層板(PPE系)
  • 低誘電対応銅張積層板(フッ素系)
  • 高多層基板
  • FPCコネクター
  • 高周波同軸コネクター
  • 高周波デバイス向けGaNウェハ
  • 透明アンテナ向け導電性フィルム

エッジ機器向けデバイス・材料

RFデバイス

  • MIDアンテナ
  • AiP
  • フィルターデバイス
  • パワーアンプ
  • RFモジュール

半導体デバイス

  • ベースバンドプロセッサー
  • アプリケーションプロセッサー
  • Wi-Fiチップ

基板・ノイズ対策部品

  • ビルドアッププリント配線板
  • LCP-FPC
  • MPI-FPC
  • LCP-FCCL
  • MPI-FCCL
  • ノイズ抑制シート
  • FPC向け電磁波シールドフィルム

◆本記事は「5G通信を実現するコアテクノロジーの将来展望 2021」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。