株式会社富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行により感染症という新たな災害の対応が求められるようになり、モノ売りからソリューション提案への転換がさらに進んでいくとみられるセキュリティ関連の国内市場を調査し、その結果を「2020 セキュリティ関連市場の将来展望」にまとめました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2020 セキュリティ関連市場の将来展望」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2020 セキュリティ関連市場の将来展望」の全体サマリー
セキュリティ関連市場
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2020年見込 |
前年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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監視カメラ |
970億円 |
95.8% |
1,051億円 |
103.9% |
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アクセス |
526億円 |
95.5% |
629億円 |
114.2% |
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イベント監視/ |
4,694億円 |
100.3% |
4,798億円 |
102.5% |
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自動車分野 |
294億円 |
106.5% |
312億円 |
113.0% |
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家庭向け機器/ |
2,321億円 |
99.7% |
2,438億円 |
104.8% |
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防災関連システム |
885億円 |
95.0% |
919億円 |
98.6% |
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合 計 |
9,691億円 |
99.1% |
1兆147億円 |
103.8% |
※市場データは四捨五入しています
2019年は、翌年開催が予定されていた東京五輪に向けた関連施設の建設、都市再開発、企業の設備投資の拡大などにより、新築ビルや公共インフラで需要が増加し、リプレース需要も堅調だったことから、アクセスコントロール分野や監視カメラシステム分野が二桁近く伸び、市場は拡大しました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、企業の設備投資抑制や導入計画の延期などにより、縮小するとみられます。特に監視カメラシステム分野やアクセスコントロール分野が落ち込んでいます。一方、イベント監視/通報関連機器分野や家庭向け機器/サービス分野は、定期的なサービス料金が主な収益源である法人向け機械警備サービス、ホームセキュリティサービスが中心なことから、市場は安定しています。
なお、感染症対策を目的とした製品やソリューションの需要が増えており、サーマルカメラによる自動体温検知と顔認証などのアクセスコントロール機器を連携させたソリューションや、非接触を可能とする空中入力システム、深紫外線LEDの空間除菌装置などが注目されています。
今後は、リプレース需要が一巡している防災関連システム/サービス分野の伸びは小さいですが、バイオメトリクスが好調なアクセスコントロール分野、ドライブレコーダーが好調な自動車分野が高い伸びを示し、2022年に市場は1兆円を突破すると予測されます。
◆注目個別市場サマリー
1.監視カメラ
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2020年見込 |
前年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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IPカメラ |
407億円 |
95.5% |
496億円 |
116.4% |
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アナログカメラ |
158億円 |
93.5% |
142億円 |
84.0% |
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合 計 |
565億円 |
95.0% |
638億円 |
107.2% |
2019年の市場は、従来型のアナログCCTVカメラのリプレース需要を獲得する高画質な同軸HDカメラがけん引することで、アナログカメラ市場の縮小に歯止めがかかり、IPカメラを含めた監視カメラ全体の需要が旺盛で前年比二桁増となりました。
2020年は、景況感の急速な悪化によりセキュリティ関連予算の削減や新設・リプレース計画の見直しなどが増え、市場は縮小するとみられます。タイプ別には、アナログカメラは、生産の絞り込みが行われたアナログCCTVカメラの減少が続き、同軸HDカメラへのシフトも飽和感が見え始めたことから、今後も縮小するとみられます。IPカメラは2020年に縮小しますが、小売店舗や商業施設、オフィスビルなど幅広い施設で採用されていることや、リプレース案件でもアナログカメラからIPカメラにシフトしていくことで、今後も市場の拡大が予想されます。
モノ売りからコト売りへビジネスモデルの転換を図るメーカーが増加しています。画像解析/AIを活用したソリューション開発が盛んであり、近年は監視カメラに画像解析/AI機能を内蔵したAIカメラの投入が増えています。工場などの製造現場、公共インフラで需要が高まっており、今後は、ユーザーの認知が進むと共に、AIカメラの需要は本格化すると予想されます。
2.バイオメトリクス
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2020年見込 |
前年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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全体 |
169億円 |
99.4% |
242億円 |
142.4% |
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顔認証 |
32億円 |
110.3% |
86億円 |
3.0倍 |
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静脈認証 |
117億円 |
95.1% |
139億円 |
113.0% |
※顔認証、静脈認証は全体の内数です
指紋、静脈、顔、虹彩などで本人認証を行うバイオメトリクスを対象とし、用途は入退室管理やPCアクセス管理があります。
顔認証は、現状普及している生体認証の中では完全な非接触での認証が可能であることから、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が高まっています。
入退室管理では、体温測定機能が追加できることから、感染症対策とセキュリティ性の向上が可能な認証方法として、オフィスビルに加え、店舗や自治体などあらゆる分野で需要が増加しています。今後店舗では、無人店舗の本格展開により、顔認証とキャッシュレス決済システムの連携なども期待されます。
PCアクセス管理においては、自治体や情報セキュリティのガイドライン刷新による教育機関の採用が増えています。また、テレワークの普及などでパソコン販売が好調であり、需要が増加しています。
指紋認証や静脈認証からの移行が増えていますが、ほかの生体認証と比較し認証精度が低いことや、コストの高さが課題であり、今後の技術開発が期待されます。
市場でのウェイトが高い静脈認証は、生体認証の中でも、認証精度が高く、認証速度が速いことが評価され、オフィスビルや官庁、データセンターなどの中で、高いセキュリティ性が必要とされる施設・エリアでの採用が目立っています。
認証を行う際、基本的には非接触での認証が可能であり、認証機器本体に抗菌塗装を施すなどの取り組みも進んでいます。指紋認証からの移行が進んでおり、市場は今後拡大するとみられます。
製品技術に関しては、認証精度や機能面はほぼ完成されており、今後は製品開発よりもほかの生体認証と比較し認証精度の高さやコスト面での優位性を訴求した営業展開が進められるとみられます。
3.入退室管理システム(非接触カード式)
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2020年見込 |
前年比 |
2023年予測 |
2019年比 |
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297億円 |
94.3% |
321億円 |
101.9% |
東京五輪特需などによる2019年の市場の盛り上がりもあり、2020年は当初より反動減が想定されていましたが、それに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による訪問営業の自粛および頻度の低下、設備投資の減額によるリニューアル案件の延期なども重なり、市場は縮小するとみられます。最近は、入退室管理システム単体の採用よりも、顔認証による二要素認証や、勤怠管理システム、来訪者管理システムなどとの連携が活発化しています。
課題としては、2021年以降は主要用途であるオフィスビルの新設が減少していくとみられることや、テレワークの普及が進む中、オフィスへの出社が必須ではなくなるなど働き方の変化により、オフィスへの設備投資が減少することなどがあげられます。一方で、未導入のオフィスやシェアオフィスでの新規導入、セキュリティ性の向上を兼ねたリプレースなどにより需要が高まり、市場は緩やかに拡大していくとみられます。
【参考】本記事で使用した「2020 セキュリティ関連市場の将来展望」に掲載している調査対象市場
セキュリティ関連市場
監視カメラシステム分野
- 監視カメラ
- 画像録画装置
- 映像総合管理ソフトウエア
- 画像伝送装置
- 家庭用見守りカメラ
アクセスコントロール分野
- 入退室管理システム(非接触カード式)
- フラッパーゲート
- バイオメトリクス(指紋認証)
- バイオメトリクス(静脈認証)
- バイオメトリクス(顔認証)
- バイオメトリクス(虹彩認証)
- 鍵管理ボックス
イベント監視/通報関連機器分野
- 侵入センサ
- 警備用ロボット/ドローン関連サービス
- 法人向け機械警備サービス
自動車分野
- ドライブレコーダ
- 後付け盗難防止装置
家庭向け機器/サービス分野
- ワイヤレスチャイム
- ホームセキュリティサービス
- テレビドアホン/住宅情報盤
- 防犯ロック
- 緊急通報サービス
- 高齢者在室安否確認サービス
防災関連システム/サービス分野
- 火災報知設備
- ガス漏れ警報器
- 被災者安否確認サービス
感染症予防対策分野
- 空中入力システム
- 空間除菌装置
ソリューションビジネス
- 群衆監視ソリューション
- 体温検知+入退室管理ソリューション
- 無人店舗/省人型店舗ソリューション
- ビル/施設向けタッチレスソリューション
◆本記事は「2020 セキュリティ関連市場の将来展望」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。