株式会社富士経済は、値上げの影響による買い控えがみられる中、健康志向や止渇需要の高まりにより甘さ離れがさらに進んでいることで無糖飲料の存在感が増している清涼飲料の国内市場を調査し、その結果を「2025年 清涼飲料マーケティング要覧」にまとめました。
この調査では、果実・野菜飲料、炭酸飲料、乳性飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター類、機能性飲料、その他飲料の8カテゴリーを対象に清涼飲料市場の現状を明らかにし、将来を展望しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2025年 清涼飲料マーケティング要覧」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
◆当該資料の全体サマリー
清涼飲料の国内市場
健康意識の向上や止渇需要の高まりを背景に、無糖飲料の割合が年々高まっています。
値上げによる買い控えがみられるため数量ベースは減少している一方、商品単価の上昇により市場は小幅ながら拡大が続いており、2025年の市場は前年比3.9%増の5兆8,093億円が見込まれます。コロナ禍以降向上した健康意識や、猛暑による止渇需要の高まりでユーザーの甘さ離れがさらに進んでいることから、無糖炭酸飲料や無糖茶飲料の伸びが市場拡大に貢献しています。また、リフレッシュやリラックスを訴求したフレーバーで新規需要の獲得が期待され、ミネラルウォーター類も好調です。2026年も同様の傾向が続き、無糖炭酸飲料や無糖茶飲料の好調が続くことに加え、無糖紅茶飲料や国産ミネラルウォーター類などの伸びも期待され、市場の拡大が予想されます。
無糖飲料が、炭酸飲料や茶系飲料などを中心に大きく伸びています。コロナ禍が収束し外出頻度が回復したタイミングで猛暑となり止渇ニーズが拡大したため、コストパフォーマンスの高い麦茶やミネラルウォーター類が有糖商品から需要シフトを受け大きく伸びましたた。また、嗜好性が重視される炭酸飲料やコーヒー飲料、紅茶飲料などでも無糖商品の大容量化や食中飲料としての訴求強化が進むなど、新たな需要を獲得しました。今後も無糖炭酸飲料や無糖茶飲料を軸に伸びが期待され、2025年には金額ベースで清涼飲料の34.5%を無糖飲料が占めるとみられます。
◆注目個別市場サマリー
1.無糖茶飲料(日本茶、麦茶、ウーロン茶)
日本茶は、緑茶やほうじ茶、玄米茶を対象とします。2025年は、脱コモディティ化に向けた主力ブランドのリニューアルやプロモーションが活発化し、9割弱を占める緑茶が好調です。濃い味の緑茶の好調も市場拡大に貢献しています。「綾鷹」(コカ・コーラシステム)が容量を増やしたほか、「おーいお茶 PURE GREEN」「同 LEMON GREEN」(伊藤園)が苦みや渋みを抑え飲みやすさを打ち出した展開により止渇ニーズに対応していることなどから、引き続き市場拡大が予想されます。
麦茶は、2025年は値上げの影響が懸念されますが、参入メーカーの注力強化や新商品の発売によって、市場は前年比9.6%増が見込まれます。容量増加を進める日本茶と競合が激化するとみられますが、麦茶による止渇需要は底堅いため、引き続き市場は拡大するとみられます。
ウーロン茶は、約7割を占めるトップ企業が実績を伸ばしているため、2025年の市場は前年比2.2%増が見込まれます。しかし、参入メーカーの注力度低下や値上げによる買い控えもみられ、数量ベースでは大きく減少しています。今後も、一部メーカーを除いて、飲料メーカーの注力度は低いため、今後は市場縮小が予想されます。
2.無糖炭酸飲料
割り材としてだけでなくストレートでの飲み方も定着し、需要が増加しています。
2024年は、値上げによる低価格NBやPBへの移行がみられましたが、「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)が発売120周年を機にプロモーション展開を強化したことで市場拡大に繋がりました。
2025年は、前年から続く低価格NBやPBへの移行や買い控えが懸念されていますが、主要メーカーが食中の飲用シーンを提案し定着が進んでいることから好調であり、前年比7.9%増が見込まれます。
割り材としてだけでなく、ストレートでの飲み方が広がっており、今後も需要を保つとみられます。また、2025年に「ウィルキンソン」ブランドから果汁系炭酸飲料(当該市場対象外)を発売し、積極的なプロモーション活動で新規顧客の獲得や飲用頻度の拡充によりブランド力強化を図っており、無糖炭酸飲料「ウィルキンソン」にも波及効果が期待され、さらなる伸びが期待されるため、今後も市場拡大が予想されます。
3.アーモンド飲料
2024年は、一部メーカーの休売や、それによる他の植物性飲料に売り場が切り替わるケースがみられたため、市場は一時縮小しました。
2025年は、「アーモンド効果」(江崎グリコ)のプロモーション強化や「アーモンド・ブリーズ」(カゴメ)の刷新に伴うTVCMの増加によって好調であるほか、それらの認知度向上により豆乳をはじめとする他の植物性飲料からの需要流入も期待され、市場は前年比20.8%増が見込まれます。
2026年は、上位メーカーの注力度の高さが市場の安定成長を支えるとみられます。プロモーションによる話題性で健康志向のユーザーを引き付け、市場は引き続き拡大が予想されます。
【参考】本記事で使用した「2025年 清涼飲料マーケティング要覧」に掲載している調査対象市場
果実・野菜飲料
果実飲料
- 100%果汁飲料
- 果汁入飲料
- 低果汁入清涼飲料
- 果粒含有果実飲料
- 果肉飲料
野菜系飲料
- トマト飲料
- 野菜飲料
- 果実野菜混合飲料
炭酸飲料
炭酸飲料
- コーラフレーバー飲料
- 透明炭酸飲料
- 果汁系炭酸飲料
- 乳類入炭酸飲料
- ジンジャーエール
- 無糖炭酸飲料
- その他炭酸飲料
- 無糖炭酸飲料・国産ミネラルウォーター類(炭酸入り)合算市場
乳性飲料
飲用牛乳類
乳飲料
- コーヒー系乳飲料
- その他色物乳飲料
- プラカップ入り乳飲料
ドリンクヨーグルト
乳酸菌飲料類
- 乳製品乳酸菌飲料
- 乳酸菌飲料
乳類入清涼飲料
コーヒー飲料
コーヒー飲料
- 缶コーヒー
- リキッドコーヒー
茶系飲料
紅茶飲料
無糖茶飲料
- 日本茶
- 麦茶
- ブレンドティ
- ウーロン茶
- その他ティードリンク
ミネラルウォーター類
ミネラルウォーター類
- 国産ミネラルウォーター類
- 輸入ミネラルウォーター類
機能性飲料
機能性飲料
- 食系ドリンク
- 健康サポート飲料
- 機能性清涼飲料
- パウチゼリー飲料
- スポーツドリンク
- エナジードリンク
その他飲料
植物性飲料
- 豆乳類
- アーモンド飲料
- その他植物性飲料
ビネガードリンク
バラエティドリンク
- ココアドリンク
- ゼリー飲料(パウチ除く)
- スープ
- 甘酒
- おしるこ
◆本記事は「2025年 清涼飲料マーケティング要覧」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。