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車載電装システム、デバイス市場を調査。2035年の世界市場市場を予測

株式会社富士キメラ総研は、「カーボンニュートラルの実現」や「事故の低減」といった潮流に変化はない一方で、トレンドが社会情勢によって目まぐるしく変化し、ニーズが多様化している車載電装システムの世界市場を調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻」にまとめました。

この調査では、自動車に搭載される主要なシステム21品目を対象に、パワートレイン系、xEV系、走行安全系、ボディ系、情報系に分類して市場の現状を分析し、将来を展望しました。また、デバイス&コンポーネンツ16品目の市場についてもその動向を捉え、長期予測を提示しました。

なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。

◆当該資料の全体サマリー

車載電装システム、デバイス&コンポーネンツの世界市場

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2025年の車載電装システム市場は、世界の自動車生産台数が増加していることから前年比13.6%増の57兆4,276億円が見込まれます。主に電動車生産増加によるxEV系システム、ADAS/ADSの普及や高度化による走行安全系システム、高機能化によるボディ系システムの伸びが寄与し、その他のシステムも伸長して2035年には2024年比69.5%増の85兆6,856億円が予測されます。

パワートレイン系の市場は、内燃機関を搭載した自動車の生産台数にほぼ比例します。今後も内燃機関搭載車両の需要は一定数残るとみられますが、xEVの普及に伴い2030年以降は縮小に転じると予想されます。

xEV系の市場は、各自動車メーカーがカーボンニュートラルの実現に向けて各種xEVの市場投入を続けるため、2035年に向け最も伸びます。EVシステムは、2023年まで各国・地域のEV優遇措置を背景に急伸長していましたが、EV優遇措置の終了、寒冷地における二次電池問題、充電時間・インフラ整備の課題により、EVからHVやPHVへと一部需要がシフトし、伸びが鈍化しています。一方、HVシステムは、近年各国・地域でHVの販売台数が増加し需要が高まっています。

走行安全系では、自動車の電動化に伴い、ブレーキやステアリングシステムで従来の機械式から電動制御方式へのシフト、物理的な接続を電気信号に置き換えるバイワイヤ技術の採用が増加しています。また、ADAS/ADSは、搭載個数の増加、デバイスの高機能化、新興国における搭載率上昇などが期待されます。

ボディ系の市場は、自動車生産台数の増加とシステムの高機能化による単価上昇により拡大していくとみられます。特にボディ制御システムは、E/Eアーキテクチャーがゾーン型ドメインコントローラーへ移行するにつれ制御マイコンの高機能化や高速通信インターフェースへの対応により単価が上昇し、高伸長が予想されます。

情報系では、統合コックピットシステムは、中央集権型E/Eアーキテクチャーの採用増を背景に伸長するとみられます。Head Unit(カーナビ/ディスプレイオーディオ)やメーターシステムは、統合コックピットシステムに統合されていくため縮小すると予想されます。車内モニタリングシステムは、搭載義務化や安全評価基準の導入などにより搭載が進み、また、HUDシステムや電子ミラーシステムも搭載が増加するとみられます。

2025年のデバイス&コンポーネンツ市場は、前年比20.7%増の36兆6,405億円が見込まれます。ADASの搭載の増加や自動車電動化の進展、xEVの生産増などに伴い拡大し、2035年には2024年比83.4%増の55兆6,570億円が予測されます。

◆注目個別市場サマリー

1.ADAS/自動運転システムの世界市場

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ADAS/自動運転システム(以下、ADS)は運転支援や自動運転走行を目的に搭載されています。近年はシステムを構成するミリ波レーダーなどのセンシングデバイスのコスト低下が進んだことや、AEB(Autonomous Emergency Braking)の搭載義務化が各国・地域で推進されたことなどにより、搭載車両の市場投入が大幅に増加しています。自動車生産台数に対する搭載率は、2024年時点で先進国を中心に70%程度まで上昇し、そのほとんどがADAS搭載車両です。今後は、新興国における搭載率上昇、センシングデバイスの多機能化・高度化による搭載個数の増加、高機能デバイスの採用により、市場は拡大すると予想されます。

タイプ別にみると、ADASは日欧米においてはほぼ搭載されています。今後は新興国における搭載率が上昇します。ADSはアイズオフとハンズオフが可能な自動運転レベル3以上の車両を対象としました。搭載車両は商用車がほとんどで、自動車生産台数に対する搭載率は僅かです。自動車市場の停滞や一部地域でのEV政策見直しにより、搭載車両の開発見直しや計画延期も発生しています。日本や中国、米国(Teslaを除く)の自動車メーカーから市場投入が期待されますが、高級車両からの展開になるとみられます。

国・地域別にみると、日本ではレベル3以上の法整備が進み、商用車ではADS搭載のバスやタクシーが一部地域で導入されており、2027年にはトラックが本格導入されるとみられます。乗用車ではホンダ「Legend」が世界初のレベル3に認定されましたが、大部分はADAS搭載車両です。欧州ではドイツを中心にレベル3以上の法整備が進んでいます。ADS搭載は乗用車ではMercedes-BenzやBMWが先行投入し、商用車ではバスやトラックで、特にハブ間輸送への導入が本格化しつつありますが、大半はやはりADAS搭載車両が占めます。米国では州単位でレベル3以上の法整備が進み、ADS搭載はタクシーやトラックを中心に急増しています。米国メーカーが本格導入を計画している一方で、Mercedes-BenzやBMWなど欧州メーカーが先行して市場を形成しています。中国ではAEB搭載義務はないものの、EV市場の急速な拡大に伴いADAS/ADSの搭載率が60%超となっています。ADS搭載はタクシーを中心に急速に増加し、複数の都市で完全無人商用運用を展開するなど、世界で最も進んでいます。その他、韓国をはじめとしたAEB規制採択国ではAEBの搭載が進み、ADAS市場が着実に形成されています。また、新興国では車両コスト上昇への懸念から多くの国でAEBの搭載義務化に至っていないため、消費者ニーズの増加や安全意識の高まりに伴い、中長期的に市場が拡大していくとみられます。

2.統合コックピットシステムの世界市場

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統合コックピットシステムは、単一のコックピットドメインコントローラー(以下、CDC)によって、メーターや、CID(Center Information Display)やHUD(Head-Up Display)の表示情報、ADASやDMS(Driver Monitoring System)などの関連情報を統合的に制御するシステムです。ここでは中央集権型E/Eアーキテクチャー(一部ドメイン型を含む)を採用した車両に搭載されている、OTA (Over The Air:無線ソフトウエア更新技術)対応のCDCを市場の対象としました。

市場は、OTAによる自動車ソフトウエア更新や高度なADAS/ADSを実現するための中央集権型E/Eアーキテクチャーの採用増を背景に拡大しています。特に、EVシフトを進めた中国が拡大をけん引しています。今後は欧州や日本、北米で本格的に市場が拡大するとみられます。

国・地域別にみると、日本ではトヨタ自動車(以下、トヨタ)や日産自動車が高級車両やEVを中心に統合コックピットシステムの搭載を進めています。今後は、ミドルクラスの車両への本格的な展開が予想されます。欧州ではMercedes-Benzなどの高級車両を中心に搭載が増えており、今後も増加するとみられます。北米ではTeslaやBMWが先行して搭載車を市場投入しています。米国自動車メーカーのGeneral Motorsは「Super Cruise」をベースに搭載を増やしていますが、次世代車両への本格展開は2028年ごろになるとみられます。中国では2023年以降NoA(Navigate on Autopilot)を搭載したEVを中心に、急速に増加しています。高機能化も先行し、オートパーキング機能搭載車両がすでに市場投入されています。また、2025年にはAI統合型のコックピットシステムも発売されています。その他の国・地域では2G/3Gのセルラー通信が主流で、4Gの普及が遅れているエリアがあるため、通信インフラが発達した韓国などから普及が進むとみられます。新興国ではコストやインフラ整備が課題となっています。

3.HVシステムの世界市場

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HVシステムは、内燃機関と電動モーターの両方を動力源とするパワートレインを持つシステムです。ほとんどの国・地域で低燃費と低価格を同時に実現するHVシステムを搭載したHVの販売台数が大きく増加しています。欧米を中心に自動車メーカー各社の電動化戦略に修正が相次ぎ、多くがHVシステム搭載車のラインアップを拡充していることから、市場は長期的に拡大していくと予想されます。

国・地域別にみると、日本ではHV普及が突出しています。PHVやEVと比較して安価であることや、トヨタや本田技研工業(以下、ホンダ)などが積極的にHVの普及を進めてきたことが要因で、今後もHV市場は拡大するとみられます。欧州ではPHVやEVに注力する自動車メーカーが多く、日本や北米に比べるとHVの普及率は低いです。しかし、2025年以降にHVに注力する自動車メーカーが出てきていることや、2025年12月にEUにおいて2035年以降にICE(Internal Combustion Engine Vehicle:内燃機関車)の販売を原則禁止する方針を撤回する案が発表され、HV需要が徐々に増加するとみられます。北米では、トヨタやホンダ、現代自動車、起亜自動車のHV販売が好調で、また、Ford Motor Companyの販売が大きく増加しています。航続距離や長時間充電の問題からHVを選択するケースも多く、今後もHV需要は堅調に増加すると予想されます。中国ではEVやPHVの需要が大きいものの、2035年以降ICEの販売をゼロにする方針を打ち出していることからHVの需要が増加するとみられます。その他の国・地域では比較的低価格な車両に対する需要が大きいことから、PHVやEVに比べて安価なHVのほうが普及しやすく、将来的には需要が高まっていくと予想されます。

【参考】本記事で使用した「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻」に掲載している調査対象市場

1.車載電装システム

1)パワートレイン系

  • エンジンマネジメントシステム
  • 変速制御システム

2)xEV系

  • HVシステム
  • PHVシステム
  • EVシステム
  • FCVシステム

3)走行安全系

  • ブレーキシステム
  • パワーステアリングシステム
  • ADAS/自動運転システム
  • エアバッグシステム

4)ボディ系

  • エアコンシステム
  • ヘッドランプシステム
  • ボディ制御システム

5)情報系

  • 統合コックピットシステム
  • Head Unit(カーナビ/ディスプレイオーディオ)
  • 車外通信システム
  • メーターシステム
  • HUDシステム
  • 電子ミラーシステム
  • 車内モニタリングシステム
  • プレミアムサウンドシステム

2.デバイス&コンポーネンツ

1)センサーモジュール

  • 車載カメラ
  • レーダーセンサー
  • LIDAR/4Dイメージレーダー
  • 超音波センサー

2)入出力系デバイス

  • ディスプレイ
  • スピーカー
  • マイク
  • アンテナ
  • 補機/その他小型モーター

3)xEV関連デバイス

  • 駆動用モーター
  • インバーター
  • DC-DCコンバーター
  • OBC
  • 二次電池
  • 電装機器用電源/補助電源
  • 48V電装機器用電源

◆本記事は「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻」より一部取り上げ、概要をご紹介しました。当該資料の目次や内容の詳細はこちらでご紹介しています。