株式会社富士キメラ総研は、スマートフォンにおけるカメラの高機能化、自動車分野をはじめとするセンシング需要の増加により拡大している光学関連(イメージング&センシング関連)のデバイス・材料・装置の世界市場を調査し、その結果を「2021 イメージング&センシング関連市場総調査」にまとめました。
この調査では、イメージング&センシング関連のデバイス・材料・装置として光学ユニット10品目、半導体デバイス6品目、光学部品4品目、光学関連材料4品目、光学関連装置2品目の計26品目、それらが搭載されるアプリケーション16品目の市場を分析し、その動向と将来を予想しました。
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「2021 イメージング&センシング関連市場総調査」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「2021 イメージング&センシング関連市場総調査」の全体サマリー
イメージング&センシング関連のデバイス・材料・装置の世界市場
|
2020年見込 |
前年比 |
2026年予測 |
2019年比 |
|
|
光学ユニット |
5兆5,967億円 |
107.8% |
8兆9,781億円 |
172.9% |
|
半導体デバイス |
2兆8,587億円 |
102.4% |
4兆4,391億円 |
159.0% |
|
光学部品 |
1兆1,953億円 |
118.1% |
1兆2,386億円 |
122.3% |
|
光学関連材料 |
1,182億円 |
82.0% |
1,306億円 |
90.6% |
|
光学関連装置 |
741億円 |
77.9% |
1,079億円 |
113.5% |
光学ユニットでは、モバイル機器や自動車分野が市場をけん引するとみられます。スマートフォン自体の需要は横ばいですが、デバイスとしては多眼化により需要増加が予想されます。自動車分野は新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に縮小する品目も多くみられますが、今後は自動運転技術の発展に伴いセンシング用途の需要が伸び、拡大が期待されます。
半導体デバイスでは、エリアイメージセンサーの市場が最も大きく、スマートフォン向けの需要増加が続いています。安価なセンサーの採用が一部ではみられますが、カメラの高機能化が続くことで、今後も安定した市場拡大が予想されます。
光学部品では、光学レンズはスマートフォンにおける多眼化に加え、搭載レンズ枚数の増加に伴って需要が伸びているほか、監視カメラ向けも好調です。なお、スマートフォンではプラスチックレンズが、監視カメラではガラスレンズが主に採用されています。
光学関連材料では、レンズ用樹脂材料が拡大しています。急速な需要増加により一部で供給がひっ迫しており、生産能力の増強が進められています。一方、光学ガラスは交換レンズ向けが減少しており、監視カメラ向けが堅調ですが、安価なガラスの採用が多く市場を押し上げるまでには至っていません。
光学関連装置では、スマートフォン向けが市場をけん引しています。撮像用に加え、センシング用途の増加により、さらなる拡大が期待されます。
◆注目個別市場サマリー
1.車載カメラモジュール
|
2020年見込 |
前年比 |
2026年予測 |
2019年比 |
|
4,820億円 |
94.0% |
9,930億円 |
193.8% |
自動車に搭載されるカメラモジュールを対象とし、ドライブレコーダー向けは含みません。
ADASや自動運転では、車両周辺の情報収集のために車載カメラは必須です。サラウンドビューによってビューイングカメラの搭載数が増加していることと、日本、欧州、北米ではAEB(先進緊急ブレーキシステム)の搭載義務化によるフロントの車載カメラ搭載率の上昇により、市場は拡大しています。2020年は自動車生産台数が減少しており、それに伴い市場は縮小するとみられますが、自動車生産台数の回復や搭載率の上昇などにより2021年に市場は再び拡大に転じ、今後も継続的な拡大が予想されます。
2.モバイル機器用レンズユニット
|
2020年見込 |
前年比 |
2026年予測 |
2019年比 |
|
7,418億円 |
106.3% |
1兆410億円 |
149.1% |
スマートフォンなどのモバイル機器に搭載される小型カメラモジュール用レンズユニットを対象としました。
スマートフォンにおけるカメラの多眼化により需要が増加しており、2020年はミドルレンジのスマートフォンでも3眼、4眼対応が進んだことで、前年比6.3%増が見込まれます。また、イメージセンサーの高画素化や画質への要求性能の高まりにより、1レンズユニットに搭載されるレンズ枚数が増加しています。フラッグシップやハイエンドのスマートフォンで7枚レンズの採用が本格化しており、今後は8枚レンズ、9枚レンズの投入も期待されることから、需要増加に加え単価上昇により、さらなる伸びが期待されます。
3.TOFセンサー
|
2020年見込 |
前年比 |
2026年予測 |
2019年比 |
|
1,036億円 |
104.4% |
3,200億円 |
3.2倍 |
TOFセンサーは、発信した光が反射し、センサーに到達するまでの時間から距離を検出する空間認識センサーです。ステレオカメラ方式やレーザースキャン方式の測距センサーよりも小型化・低コスト化が図れるとされ、需要増加が期待されます。
主要用途としてスマートフォンなどモバイル機器における、高機能撮影(高速フォーカス、背景ぼかしなど)やAR、顔認証などが挙げられます。現状では高コストであることから標準搭載は少ないですが、5Gの普及、深度情報を活用した高機能撮影、ゲームやナビゲーションなど新サービスが創出されることで、搭載率上昇につながり、市場の拡大が期待されます。
4.一般車両用ドライブレコーダー・ダッシュカム【生産ベース】
|
2020年見込 |
前年比 |
2026年予測 |
2019年比 |
|
2,600万台 |
84.7% |
4,465万台 |
145.4% |
走行中の車両の周辺状況や車内の様子を撮影し、映像を自動的に録画するドライブレコーダーを対象としました。
衝突事故時やあおり運転を受けた時の映像を記録し、証拠として裁判で用いることも可能であり、世界的にニーズが増加しています。一方で、搭載していなくても運転に支障はないことから、採用の優先順位が低く、購入が後回しにされやすいです。そのため自動車生産台数が落ち込んでいる2020年は、市場が縮小するとみられます。
日本では道路交通法の改正により、あおり運転が厳罰化され、関心が高まっています。欧州や北米はプライバシー保護の観点からドライブレコーダーの搭載に抵抗感を持つ層も多いですが、北米では安全への意識も高まりつつあり普及が進んでいます。中国では、低価格製品を展開するメーカーが数多く存在し、インターネット販売が好調です。
5.遠赤外カメラ(LWIR)【生産ベース】
|
2020年見込 |
前年比 |
2026年予測 |
2019年比 |
|
1,005万台 |
188.6% |
696万台 |
130.6% |
遠赤外(8~14μm)を受光領域とするLWIRの赤外カメラを対象としました。
新型コロナウイルス感染症の流行により、建物への入退出時の体表面温度検査などで採用が急速に増えており、2020年は大幅な市場拡大が予想されます。監視カメラメーカーなどが顔認証の入退出管理システムとセットで提供し、需要を獲得した一方で、赤外カメラ専属メーカーは額部分の認識技術や複数人同時認識などのニーズに応えることができず、特需の恩恵を受けられなかったとみられます。2021年以降は需要が落ち着きますが、2019年よりやや高い水準で緩やかな拡大が予想されます。
体表面温度検査用が伸びているほか、北米では軍事向けや監視向けに加え、住宅など建造物の非破壊検査やプラント工場の検査など幅広い用途でも採用されます。また、欧州ではナイトビジョンシステムや自動運転システム向けでの需要が期待されます。
【参考】本記事で使用した「2021 イメージング&センシング関連市場総調査」に掲載している調査対象市場
デバイス・材料・装置品目別市場
光学ユニット
- 小型カメラモジュール
- 車載カメラモジュール
- モバイル機器用レンズユニット
- 車載カメラ用レンズユニット
- ヘッドライトシステム
- HUD
- LIDAR(2D・3D)
- バーコードリーダーモジュール
- マシンビジョンカメラ(エリア)
- マシンビジョンカメラ(リニア)
半導体デバイス
- エリアイメージセンサー
- リニアイメージセンサー(RO)
- リニアイメージセンサー(CIS)
- TOFセンサー
- VCSEL
- 赤外受光素子(PD・APD)
光学部品
- 光学レンズ
- ヘッドマウントディスプレイ用レンズ
- 赤外カメラ用レンズ
- 光学フィルター
光学関連材料
- レンズ用樹脂材料
- 光学ガラス
- レンズ用コーティング材料
- 光学接着剤
光学関連装置
- 射出成形機
- 光学薄膜形成装置
アプリケーション品目別市場
カメラアプリケーション
- スマートフォン
- デジタルスチルカメラ(コンパクト・一眼)
- 交換レンズ
- アクションカム
- ドローン
- 一般車両用ドライブレコーダー・ダッシュカム
- 業務用ドライブレコーダー・ダッシュカム
- 監視カメラ
- TVドアホン
- 中赤外カメラ(MWIR)
- 遠赤外カメラ(LWIR)
その他アプリケーション
- プロジェクター
- ヘッドマウントディスプレイ
- スマートグラス
- プリンター
- ATM・CD
画像認識関連ソリューション事例
- 画像外観検査
- 検温ソリューション
- 社会インフラモニタリング
- 姿勢推定
◆本記事は「2021 イメージング&センシング関連市場総調査」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。