株式会社富士経済は、消費者の感染症予防意識の高まりを背景に注目を集めている機能志向食品(サプリメント)の市場を調査し、その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2 機能志向食品編」にまとめました。
この調査では機能志向食品を滋養・強壮、スポーツサポート、骨・関節・筋肉サポート、生活習慣病予防などの訴求効能別や、成分別に分類し市場を調査・分析しました。
※機能志向食品:健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品(H・Bフーズ)のうち、機能性を重視した商品設計を行い、一般用医薬品等との競合が予想される商品(サプリメント)です
なお、本記事以外にも、より詳細な市場構造、市場シェア、参入企業動向などをお知りになりたい方は、「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2 機能志向食品編」をご購入の上、ご覧いただければ幸いです。
「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2 機能志向食品編」の全体サマリー
機能志向食品(サプリメント)市場
2019年は、景品表示法違反に起因した酵素商品のマイナスやフルーツ青汁の落ち込みによりダイエットが縮小しました。また、中国新EC法の施行以降、インバウンド需要が減少し美容効果やグリーンチャージなども縮小しました。一方、プロテイン需要の増加により好調だったスポーツサポートや脂肪低減などをヘルスクレームとした生活習慣病予防が大幅に伸びたことで、市場は拡大しました。
2020年は、訪日客の減少によるインバウンド需要の落ち込みで、美容効果などは苦戦していますが、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、疾病予防・セルフメディケーション意識が高まり乳酸菌関連やビタミン・ミネラルなど免疫作用に関わる成分や訴求に注目が集まったことで、整腸効果、免疫賦活作用、マルチバランス、生活習慣病予防などを中心に特需がみられました。また、運動不足解消ニーズを捉えたスポーツサポートが好調であり、市場は前年に続き拡大すると予想されます。
◆注目個別市場サマリー
1.生活習慣病予防
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2019年 |
2020年見込 |
前年比 |
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中性脂肪値・ |
518億円 |
529億円 |
102.1% |
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血糖値改善 |
167億円 |
193億円 |
115.6% |
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高血圧予防 |
60億円 |
71億円 |
118.3% |
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認知機能サポート |
169億円 |
174億円 |
103.0% |
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その他 |
226億円 |
219億円 |
96.9% |
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合 計 |
1,139億円 |
1,185億円 |
104.0% |
生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化など)対策を訴求した商品を対象とします。
2019年は、上位企業が新聞広告やTVCMの投下など積極的なプロモーションを継続したことで新規顧客の獲得が進み、市場は拡大しました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行以降、病院での受診を控える動きや高血糖などの基礎疾患により新型コロナウイルス感染症が重症化する恐れがあるとの報道の影響からセルフメディケーション意識が高まっており、市場は拡大するとみられます。
中性脂肪値・コレステロール値改善は、消費者のセルフメディケーションへの意識が高まったほか、"コロナ太り"により脂肪対策商品の引き合いが強まり上位企業が好調なことから、前年を上回るとみられます。
血糖値改善は、高血糖などにより新型コロナウイルス感染症が重症化する恐れがあるとの報道もでたことが追い風となったほか、"コロナ太り"のニーズも獲得するなど好調で、前年比15.6%増が見込まれます。
高血圧予防は、上位企業が積極的な広告投下などから好調であり、伸びると予想されます。
認知機能サポートは、認知機能低下への予防意識の高まりから需要が増加しており、伸びるとみられます。
2.スポーツサポート
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2019年 |
2020年見込 |
前年比 |
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599億円 |
713億円 |
119.0% |
1980年代にプロテインなどが発売され、プロのアスリート、ボディビルダーなどごく限られたトップ層のみを対象として市場は形成されました。2000年代以降は徐々に一般消費者の需要を取り込んだことや、ランニングブームなどを背景としたスポーツ人口の増加によって幅広い層のユーザーを獲得しています。
2019年は、近年参入した企業が大幅に実績を伸ばしたため市場は拡大しました。2020年は、外出自粛によるコロナ太りなどを解消すべく自宅で運動を行う"家トレ"に励む人が急増し需要が増加しているため、市場は拡大するとみられます。健康寿命延伸のために政府がスポーツを推進していることから長期的にスポーツ人口は増加していくとみられ、今後も市場拡大は続くと予想されます。
3.ストレス緩和・睡眠サポート
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2019年 |
2020年見込 |
前年比 |
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118億円 |
127億円 |
107.6% |
ストレスの低減、睡眠の質の向上・改善などを訴求した商品を対象とします。
1998年にハーブ類の規制が緩和され、セントジョーンズワートやバレリアンを成分とした商品が相次いで発売されたことにより市場は本格的に形成されました。2015年の機能性表示食品制度の開始以降は、新商品が増加し、新聞広告などのプロモーション活動も積極的に行われてきたことから市場は拡大が続いています。
2019年は、既存の商品が好調だったほか、新商品が相次いで発売され市場が活性化し、拡大しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行による生活の変化や不安感から、ストレスを感じたり、睡眠の質を気にする消費者の需要を獲得しており、市場は拡大するとみられます。
4.免疫賦活作用
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2019年 |
2020年見込 |
前年比 |
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252億円 |
270億円 |
107.1% |
2019年は、上位企業の実績が停滞したため市場は縮小しました。2020年は、新型コロナウイルス感染症対策として免疫力を高めることの重要性が広く認識され、乳酸菌類、プロポリス、エキナセアなどが大幅に伸び、市場は拡大するとみられます。また、2020年11月に「iMUSE プラズマ乳酸菌 サプリメント」(キリンホールディングス)が、12月には「免疫サポート」(ファンケル)が発売されました。両商品は、免疫機能に関するヘルスクレームで届出が受理された機能性表示食品であり市場の拡大に寄与するとみられます。
【参考】本記事で使用した「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2 機能志向食品編」に掲載している調査対象市場
| 機能志向食品(サプリメント) | |
| 滋養・強壮 | ローヤルゼリー、ニンニク、高麗人参、スッポン、マカ、深海鮫エキス、その他 |
| 肝機能改善 | ウコン、オルニチン、カキ肉エキス、その他 |
| 美容効果 | コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、アスタキサンチン、その他 |
| 整腸効果 | アロエ、プルーン、ビフィズス菌、乳酸菌、食物繊維、乳酸菌・ビフィズス菌複合、その他 |
| ダイエット | a 食事代替ダイエット(カロリー調整食品、酵素系カロリー調整食品) b 抑制系/燃焼系ダイエット(ギムネマ酸、L-カルニチン、サラシア、その他) c ダイエット・その他(酵素、食物繊維・マンナン、その他) |
| スポーツサポート | プロテイン、アミノ酸、その他 |
| 生活習慣病予防 | a 中性脂肪値・コレステロール値改善(DHA・EPA、ナットウキナーゼ、レシチン、その他) b 血糖値改善(サラシア、難消化性デキストリン、小麦アルブミン、その他) c 高血圧予防(サーデンペプチド、ラクトトリペプチド、その他) d 認知機能サポート(DHA・EPA、イチョウ葉、その他) e 生活習慣病予防・その他(黒酢・香醋、その他) |
| 抗酸化・抗加齢 | 核酸、ゴマエキス、コエンザイムQ10、レスベラトロール、ポリフェノール、その他 |
| 血行促進 | ビタミンE、生姜、シトルリン、その他 |
| 免疫賦活作用 | 乳酸菌類、プロポリス、アガリクス、霊芝、β-カロチン、エキナセア、甜茶、その他 |
| 栄養バランス | プロテイン、その他 |
| 骨・関節・筋肉サポート | グルコサミン、コラーゲン、カルシウム、アミノ酸、その他 |
| 貧血予防・改善 | 非ヘム鉄、ヘム鉄 |
| オーラルケア | 植物抽出エキス、シャンピニオンエキス、その他 |
| アイケア | ブルーベリー、ルテイン、その他 |
| マルチバランス | 複合、ビタミンC、マルチビタミン、マルチミネラル、ビタミンB群、アミノ酸、亜鉛、ビール酵母、その他 |
| ホルモンバランス | 大豆イソフラボン、ノコギリヤシ、ザクロ、ガウクルア、その他 |
| ストレス緩和・睡眠サポート | グリシン、テアニン、GABA、セントジョーンズワート、その他 |
| グリーンチャージ | 青汁、ミドリムシ(ユーグレナ)、クロレラ、野菜粒、スピルリナ、その他 |
◆本記事は「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2 機能志向食品編」より一部取り上げ、主要なポイントを抜粋しました。調査レポートの目次や調査サマリーなど詳細はこちらでご確認いただけます。